「ふしぎ」を見に行こう

「ふしぎ」な現象

まるで氷の神殿しんでん!
「巨大きょだいな氷柱つらら」や
「氷瀑ひょうばく」のふしぎ

氷の神殿しんでんのような巨大きょだいな「氷柱つらら」や滝たきがまるごと凍こおった「氷瀑ひょうばく」。
真冬にしか見られない幻想げんそう的な景色だよ。
まるで氷の神殿!「巨大な氷柱」や「氷瀑」のふしぎ

画像提供:十和田市

  • 冬のお出かけは寒さ対策たいさくをしっかり行いましょう。凍こおった地面ですべらないよう足元にも気をつけましょう。危険きけんな場所に立ち入ってはいけません。マナーを守って観光しましょう。

探検たんけんメンバー

  • 隊員はると
    ふしぎ探検隊たんけんたいが行くよ!
    隊員はると
  • 荒木健太郎さん
    この人に聞いたよ
    気象を研究している
    荒木健太郎あらきけんたろうさん

まるで氷の神殿しんでん! 「巨大きょだいな氷柱つらら」や「氷瀑ひょうばく」の不思議

  • はぁ〜、寒いな〜。でもせっかくだから、寒い冬にしか見られないキレイな景色を見てみたいな!
  • 真冬の寒い場所では氷の神殿しんでんのような景色が見られることがあるよ。
  • 氷の神殿しんでん? なにそれ? 見てみたい!
  • たとえば岩壁いわかべからしたたる水がつくる巨大きょだいな「氷柱つらら」の景色を見ることができるよ。
三十槌みそつちの氷柱つらら

画像提供:秩父市

奥入瀬渓流おいらせけいりゅう

画像提供:十和田市

白川氷柱群しらかわひょうちゅうぐん

画像提供:木曽おんたけ観光局

  • わーすごい! 雪の女王が出てきそう!
  • 迫力はくりょくがあるよね。
  • どうやったらこんな大きな氷柱つららができるの?
  • 氷柱つららは、したたり落ちる水が0℃以下の空気にふれて凍こおり、温かい日中に表面がとけて、寒い夜間にまた凍こおって……というように、とけたり凍こおったりを繰くり返して長く太くなっていくんだ。
  • 見てみたいなぁ。
  • 小さな氷柱つららなら家の軒先のきさきにできることもあるよ。
  • へぇ〜。ぼくの家の軒先のきさきでは見たことない!
  • 最近の住宅じゅうたくは断熱だんねつ材が使われた温かい家が多いからね。寒い日の朝に木の枝えだにできることもあるよ。
  • 今度見てみよう!
  • 氷柱つららと似にたもので、滝たきがまるごと凍こおった「氷瀑ひょうばく」もすごいよ。
平湯大滝ひらゆおおたき

画像提供:奥飛騨温泉郷観光協会

  • わぁ、水しぶきがそのまま凍こおってる! 滝たきに流れる水が凍こおっちゃったの?
  • うん。氷瀑ひょうばくは、流れている水が滝たきに落ちるタイミングで外気にふれる表面積が大きくなって凍こおって、凍こおったところに水が流れてきてまた凍こおる……ということを繰くり返してできるんだ。
  • 凍こおる瞬間しゅんかん、見てみたいなー。
  • 水が一瞬いっしゅんで凍こおるところを見てみたい?
  • うん! 見たい!
  • それなら、おうちで簡単かんたんにできる実験があるよ。一緒いっしょにやってみよう。

水が一瞬いっしゅんで氷になるマジック! おうちでできる「氷」の実験

水が一瞬いっしゅんで氷になる実験

用意するもの

・空のペットボトル
(500ml・炭酸たんさん飲料用の円筒えんとう形のもの)

・水

実験のやり方

1:ペットボトルに水を入れる。

2:冷凍れいとう庫で数時間(環境かんきょうによって〜5時間くらい)冷やす。設定せってい温度はマイナス5℃くらいが理想(温度設定せっていができない場合は「弱」にしたり、ペットボトルをタオルでまいたりして調整しよう)。冷やしている間はなるべく振動しんどうを与あたえないこと。ドアの開閉かいへいもしないように!

3:そーっと取り出して、側面を指先ではじいたり、容器ようきをふったりしてみよう。

水が一瞬いっしゅんで氷になる動画

なぜ一瞬いっしゅんで凍こおる?

水の凝固ぎょうこ点(凍こおる温度)は0℃だけど、実際じっさいには0℃で凍こおることはむずかしくて、冷凍れいとう庫の中でもマイナス10℃くらいで凍こおっているよ。水が凍こおるにはきっかけが必要なんだ。ふつうは水の中に含ふくまれる不純ふじゅん物がきっかけとなったり、容器と接するなどの物理的な刺激しげきをきっかけに凍こお り始める。0℃以下でも水が凍こおらない状態じょうたいを「過冷却かれいきゃく」というよ。水を静かにゆっくり冷やすと過冷却かれいきゃくの水ができるんだ。過冷却かれいきゃくの水は凍こおりたくても凍こおれない状態。そこに何か落としたり振ふったりして衝撃しょうげきを与あたえると、一気に氷が成長するんだ。

空の上でもこれと同じことが起きているよ。雲の中にはマイナス20℃くらいでも凍こおれない過冷却かれいきゃくの水滴すいてき(雲粒うんりゅう)がたくさんあって、小さな雪の結晶けっしょうがそうした過冷却かれいきゃくの水滴すいてき(雲粒うんりゅう)をたくさんくっつけて「あられ」や「ひょう」のような大きな氷のかたまりに成長するのは前回お話した通り。

「氷の絶景ぜっけい」スポットへ出かけよう!

今しか見られない! 氷がつくり出す神秘しんぴ的な景色を見に行こう。

※時期や年によって凍結とうけつしていない場合もあるので各HP等で状況じょうきょうをご確認かくにんください。

  • 層雲峡そううんきょう

    層雲峡 画像提供:層雲峡観光協会

    層雲峡そううんきょう

    日本夜景遺産に認定された美しい氷像が楽しめる。氷の滑り台や各種イベントも。

    住所:
    北海道上川郡上川町層雲峡 層雲峡温泉
    https://www.sounkyo.net/hyoubaku/
  • 奥入瀬渓流おいらせけいりゅう氷瀑ひょうばくツアー

    奥入瀬渓流氷瀑ツアー 画像提供:十和田市

    奥入瀬渓流おいらせけいりゅう氷瀑ひょうばくツアー

    ガイドの解説かいせつを受けながら、専用せんようバスで奥入瀬渓流おいらせけいりゅうの白銀の世界を楽しめる。

    住所:
    青森県十和田市奥瀬
    https://www.city.towada.lg.jp/kanko/event/hyoubaku.html
  • 袋田ふくろだの滝たき

    袋田の滝 画像提供:大子町観光協会

    袋田ふくろだの滝たき

    日本三名瀑ばくのひとつ。別名「四度の滝たき」と呼ばれ、季節ごとに姿すがたを変える。

    住所:
    茨城県久慈郡大子町袋田
    https://www.daigo-kanko.jp/
  • 三十槌みそつちの氷柱つらら

    三十槌の氷柱 画像提供:秩父市

    三十槌みそつちの氷柱つらら

    岩清水が作り上げる巨大きょだいな氷柱群つららぐん。青白くライトアップされた様子が芸術げいじゅつ的。

    住所:
    秩父市大滝4066-2(ウッドルーフ奥秩父オートキャンプ場)
    秩父市大滝4011-1(槌打キャンプ場)
    https://navi.city.chichibu.lg.jp/p_flower/1403/
  • 白川氷柱群しらかわひょうちゅうぐん

    白川氷柱群 画像提供:木曽おんたけ観光局

    白川氷柱群しらかわひょうちゅうぐん

    岩肌はだをつたう清水が凍こおりついて巨大きょだいな氷のカーテンに。夜はライトアップも。

    住所:
    長野県木曽郡木曽町三岳井原地区(小坂温泉けやきの湯付近)
    http://www.kankou-kiso.com/event/
  • 平湯大滝ひらゆおおたき

    平湯大滝 画像提供:奥飛騨温泉郷観光協会

    平湯大滝ひらゆおおたき

    日本の滝たき百選にも選ばれた飛騨ひだの名瀑めいばく。豪快ごうかいな流れが凍こおりついた姿すがたが見られる。

    住所:
    岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯
    http://www.okuhida-fuyumonogatari.com/hirayu.php
  • 古閑こがの滝たき

    古閑の滝 画像提供:阿蘇市

    古閑こがの滝たき

    男滝たきと女滝たきがあり、冬には凍結とうけつし、神秘しんぴ的な氷のオブジェができる。

    住所:
    熊本県阿蘇市一の宮町坂梨古閑
    http://www.city.aso.kumamoto.jp/tourism/spot/water_source/
荒木さんからのメッセージ
  • 水が一瞬いっしゅんで凍こおる実験は簡単かんたんなのでぜひチャレンジしてみてね。水が凍こおるしくみがわかるようになると、水や氷の粒つぶの集まりである「雲」のしくみや、氷に関係するいろんな大気現象げんしょうのしくみも理解りかいしやすくなるよ。
まとめ
  • 「氷柱つらら」は落ちる水滴すいてきが凍こおり、表面がとけて凍って…を繰くり返してできる。
  • 「氷瀑ひょうばく」は水が滝たきに流れるときに凍り、そこにまた水が落ちて凍こおって…を繰くり返してできる。
  • 水が0度以下でも凍こおらない状態じょうたいを「過冷却かれいきゃく」という。過冷却かれいきゃくの水は少し衝撃しょうげきを加えると一気に凍こおる。

Profile

荒木健太郎

荒木健太郎あらきけんたろう

雲研究者

気象庁気象研究所所属。博士(学術)。防災・減災のために、豪雨・豪雪・竜巻などによる気象災害をもたらす雲のしくみ、雲の物理学の研究に取り組んでいる。著書に『雲を愛する技術』(光文社新書)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)、絵本『せきらんうんのいっしょう』『ろっかのきせつ』(いずれもジャムハウス)などがある。
詳細プロフィール
http://www.mri-jma.go.jp/Dep/fo/fo3/araki/
Xアカウント
https://twitter.com/arakencloud