更新日:2023.09.13
猪俣慎吾 キャンプが趣味のフォトグラファー。7年間写真スタジオで働き、その後独立。フォトグラファーとして活動する傍ら、キャンプコーディネーターの仕事もしている。息子と2人で日本のみならず、海外へキャンプに出かけている。
日頃から仕事にプライベートに様々なキャンプ場を訪れているHondaキャンプ制作メンバー。数多くのキャンプ場があるなか、メンバーそれぞれが気になっているキャンプ場へ実際に訪れて取材し、キャンプ場の紹介をします。
キャンプを題材として撮影活動をする猪俣さんにとって、こだわりを掲げているのが「絶景」のロケーション。夕陽の美しい臨海、降ってくるような星空の高原、ため息ものの夜景を眼下に望む丘の上など、数多くのロケーションでの絶景キャンプを写真におさめています。
そんな猪俣さんが今回紹介するのは、香川県のオキオリーブガーデン。「天空のオリーブ園」として知られ、オリーブ畑の中にあるキャンプサイトは、ほかでは見ることがない絶景です。
それでは、気になるキャンプサイトの様子や各施設、周辺のおすすめ情報も交えてレポートしていきましょう。
昨年も訪れましたが、また行きたい衝動に駆られて再訪しました。オリーブの木のそばでキャンプができるなんてまさにここだけですし、利便性抜群の立地がまたいい。とても心が落ち着く空間なんですよね。
ビューサイトの眺め。オリーブの木と周囲の豊かな自然とのコントラストは見事
2021年にオープンしたばかりの、香川県・高松市にあるキャンプ場です。高松中央ICからクルマで15分ほど。またレンタカーを利用する際には高松空港からはクルマで10分ほどと、アクセスがとても便利な場所です。山道を上って行くと、約1,500本ものオリーブの木がお出迎え。キャンプ場は敷地面積約2万坪の、オリーブ農園の中にあります。
香川県といえば日本のオリーブ発祥の地で、温暖で乾いた気候は地中海となぞらえられるほどオリーブの栽培に最適な環境です。
キャンプ場は高台に位置し、眼前には阿讃山脈の絶景が広がる開放感あふれるロケーション。場内には3つのエリアに分かれたキャンプサイトのほか、ガーデンカフェ(2023年9月現在はメンテナンスのため休業中)、1日1組限定のグランピング施設も完備しています。
1年中温暖な気候で晴天率も高い場所ですが、夏場のキャンプサイトは木陰が少なく、日光の影響を大きく受けます。よって、夕方以降が快適な時間帯です。日が落ちて高台特有の涼しい風が通ると、朝晩はとても快適に過ごせます。
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キャンプサイトは「フラットサイト」、「ビューサイト」、「ボトムサイト」と、3つのエリアに分かれています。なだらかな丘に配されていて、上部側に「フラットサイト」と「ビューサイト」、少し離れた下部側に「ボトムサイト」があります。
青い空とオリーブ畑のコントラストの中に身を置くと、ヨーロッパの地中海沿岸地域にいるかのよう。まさにオキオリーブガーデンならではの絶景でキャンプが楽しめます。
●フラットサイト
「フラットサイト」はオリーブ園のトップに位置するカフェのある道路に面していて、4組までの利用ができます。その名の通りサイトはフラットな部分が大半を占めるので設営しやすく、トイレや炊事棟にもアクセスしやすいので初心者にもおすすめです。
●ビューサイト
「ビューサイト」はもっともオリーブの木々に囲まれている、まさに「映える」ロケーション。奥行きのあるオリーブ畑の絶景に包まれます。4組までの利用ができ、エリア内はどこにでも設営がよいとされていますが、平坦なところが少なく、ある程度のキャンプ経験者に向いています。
●ボトムサイト
「ボトムサイト」はクルマの乗り入れができるほぼフラットなオートサイトで、オリーブ畑を見上げるロケーション。キャパシティは6組までです。上部のエリアから少し離れていますが、サイトの近くに炊事棟とトイレがあるため、不便はないでしょう。
「ビューサイト」と「フラットサイト」にはクルマの乗り入れ不可で、サイトのそばで荷物を降ろしたらクルマは駐車スペースに移動する必要があります。
「ボトムサイト」のみ、オートキャンプができるので利用の際はご注意ください。
いずれもサイトの区切りに明確なものはありませんが、オリーブの木々が適度な木陰とプライバシーを確保してくれます。地面はペグダウンしやすいちょうどいい硬さで、水はけもいい印象です。また、焚き火をするには焚き火台が必携です。
とにかくオリーブの木々に囲まれたキャンプを満喫するのなら、断然「ビューサイト」の利用がおすすめです。ただし平坦な部分が少ないため、ビギナーは苦労する可能性があります。できるだけ軽装のスタイルが楽に設営・撤収ができますね。キャンプ経験がある方ならぜひどうぞ!
●設備
炊事棟とトイレは「フラットサイト」&「ビューサイト」側にひとつずつ。「ボトムサイト」側にもひとつずつ完備しています。敷地は広大ですが、キャンプやグランピングなどで滞在する組数は少ないため、利用者で大きく混雑する心配はないでしょう。
炊事棟では温水が出るので、寒い時期にキャンプをする際にとても助かります。また、トイレは温水洗浄便座付きの洋式なので、キャンプに不慣れな方でも安心です。ゴミは基本持ち帰りですが、500円で引き取りをしてもらえます。
●宿泊施設
キャンプ場内の宿泊施設には、大型のコットンテントに宿泊できるグランピングがあります。高台の眺望がいいところに位置し、宿泊は1日1組限定。常設テントの中は冷暖房があるほか、ベッド2個、布団2個、テーブル・チェア、室内灯やAC電源など手ぶらでOKの充実ぶり。
グランピングで味わえる「瀬戸内ブイヤベースディナーセット」が素晴らしく、ブイヤベースやオリーブオイルとトマトの煮込み、魚介の旨味がたっぷりのパスタなど、瀬戸内特産の新鮮な魚介類を味わえます。
グランピングはキャンプ道具がなくても手軽に利用できるので、ビギナーはもちろん、遠方から訪れる場合にもおすすめです。
施設はシンプルにまとまり、とてもキレイです。キャンプサイトからの距離も離れていないため、どんなキャンパーでも不都合はありません。グランピングの充実度にも目を見張ります。1組限定、目の前のオリーブ畑の眺めを独り占めできるなんて最高です。
「オリーブ農園でキャンプができるのは日本のみならず、世界的にも珍しいですよ」とオーナーの澳(おき)さん
キャンプ場からほど近い、「もり家」の絶品うどんをご賞味あれ
キャンプ場の周辺には食事処やスーパーなどが豊富にあるし、温泉も近いです。土地ならではの魅力が凝縮されている便利な立地なので、余裕を持っての行動ができます。いくつかのおすすめを紹介しましょう。
まずは食ですが、うどん県として知られるだけあり、近隣にはうどん店が多数。なかでもキャンプ場からクルマで5分ほどにある「もり家」は、地元の方にも人気が高い有名店ですので、本当に美味しい!
入浴なら、クルマで15分ほど走れば温泉施設の「仏生山温泉」へ。とろみのある泉質で肌がツルツルになる、美人の湯として知られています。希望すればキャンプ場で割引チケットを配布しているのでぜひどうぞ。
オーナーの澳さんが言うように、オキオリーブガーデンは「世界的にも珍しい」ロケーションでのキャンプが一番の魅力。それを存分に楽しめるための、周囲の施設も便利で素晴らしいものがそろい踏み。これは、週末の1泊2日利用や、遠方から訪れるキャンパーにとって大きな強みと言えるでしょう。
オリーブ畑での最高の絶景キャンプとともに、食や遊びも無理なく欲張れる、幅広いキャンパーに受け入れられる居心地のいいキャンプ場です。
気になる方は、ぜひご利用ください!
キャンプ場を中心に各スポットにアクセスしやすく、ミニマムにまとまっているのがまたいいんです。周辺には魅力的な史跡も多く、日本最大級の庭園・栗林公園をはじめ、高松城趾や金比羅山へも足を伸ばしやすいですよ。食べ物もうどんのほかオリーブ牛、オリーブ豚、オリーブハマチなど食べたいものばかり。次に訪れる際は、なにを楽しむか悩みますね。
※このコンテンツは、2023年9月の情報をもとに作成しております。
※お出かけ前に電話やホームページなどで最新の情報をご確認ください。