紅葉が少しずつ山から降りてきました。
朝夕も冷え込むようになって、秋が深まってくると、あの野外の人気スイーツ、焼きいもの出番。キャンプやBBQなど外遊びでも喜ばれますが、ちょっとした工夫でビックリするくらい美味しくなります。
更新日:2012.11.09
焼きいもは、材料や焼き方で仕上がりがふたつに分かれます。ひとつは定番の“ホクホク”。もうひとつは“ねっとり”で、どちらも焼きたては、ほっぺが落ちる美味しさ。
さて、サツマイモにはいろいろな種類があって、最近話題なのは種子島原産、鹿児島で栽培されている安納芋(あんのういも)。糖度が15%にもなるという甘みの強い品種で、きめも細かく、しっとりとした肉質が特徴です。これを使うとねっとりとした焼きいもに…。ただ、流通が限られているので、どこでも手に入るという品種ではありません。
焼きたてにバターを乗せてパクッ!いもの甘みとバターの塩味のバランスが絶品です
紅あずまや、鳴門金時(なるときんとき)、黄金千貫(こがねせんがん)など、従来の品種は、安納芋に比べればホクホク系の肉質ですが、焼き方次第でアレンジ可能。いずれにしても、太めのいもを選んだほうが美味しく仕上がります。
こんな感じで焼けていれば、香ばしい香りと甘み、コクのバランスがとれた仕上がりになっているはず!
かつて、落ち葉焚きにそのまま放り込むのが秋から冬の風物詩でした。今回は、外遊びで人気のバーベキューグリルや、キャンプファイヤー、焚火などで美味しく作る方法を紹介しましょう。
まず、焼きいもの原則。あの甘みは、サツマイモにたくさん含まれるでんぷんが熱の作用で糖に変わるから。でも、これには時間がかかります。だから、じっくりと加熱するのが美味しい焼きいものコツ。太いいもがおすすめなのも、細いと時間をかけているうちに焦げてしまったり、パサパサになるからなんです。
で、活用したいのがアルミホイル。これを使えば火の当たり具合を調整できるので、仕上げも自由自在!ってわけ。
ホクホクの焼きいもにしようと思ったら、落ち葉焚きの残り火のような柔らかい熱源なら、サツマイモをそのまま放りこんでしまえばいいのですが、BBQグリルの熾き火や、太い薪の焚火は火力も強いので、そのままではあっという間に黒焦げに…。
そこで、アルミホイルの登場。まず、手でクシャクシャにしてから、いもを包みます。アルミホイルは、火や熱を直接当てないためのシェルター役なんですが、とても薄くて熱伝導もいいので、そのままだとまだ火の当たりが強すぎてしまうのです。クシャクシャにすると、いもの表面とアルミホイルの間に不規則な空間がたくさんできて、熱が間接的に伝わるので、じっくりと火が入ります。火が強ければクシャクシャのシワを大きめに、弱ければよく揉んで細かいシワに…そのあたりの見極めがコツで、焼きいもの面白さ。
アルミホイルをクシャクシャにしてから包むことで、火の当たりを調節。火が強ければ粗めに、弱ければ細かいシワがおすすめです
ねっとりと仕上げたければ、2層包みで…。まずそのままのアルミホイルでぴったりとすき間なく包んでから、クシャクシャにしたもので包めばOK! ぴったりに包むことで水分が抜けにくくなって、蒸し焼き状態になるわけ。
安納芋は、そのままでもねっとりとした仕上がりで、ほかの種類はどちらかといえばホクホクした感じになります。
火の強さやいもの大きさで、加熱時間は変わりますが、慣れないうちは、20~30分経ったら、つまようじや竹ぐしをそ~っと刺してみましょう。スッと入ったらOK!
まだ真っ赤に燃えている焚火に入れるような場合は、最初にピッチリとアルミホイルを巻いてから、クシャクシャにしたもので包みます
安納芋以外でも、ちょっとしたアレンジでねっとりとした仕上がりが可能です。
簡単なのは、2時間ほど水に漬けておく方法。時間がなければ濡らした新聞紙で包むといいでしょう。皮も食べたい場合にはペーパータオルで…。
また、薄めの塩水に漬けてから焼くと甘みとコクが強調されます。あんこに塩をちょっと加えるのと同じですね。
ホクホク系もねっとり系もバターとの相性はばっちり!
ホクホク系には、バターにプラスして、シナモンパウダーをほんの少し振りかけるのもおすすめ!
ねっとり系なら粗挽きコショウや、粉チーズも意外な美味しさです。
焼く前に水に浸しておくと、ねっとりした感じに近づきます
水に浸しておく時間がない場合には濡らした新聞紙で包んでから、アルミホイルで包みます
焼きいもは、ちょっとしたコツや工夫でぐ~んと美味しくなります。いろいろ試して、あなただけのベストレシピを見つけてください。
※このコンテンツは、2012年11月の情報をもとに作成しております。