都会の喧騒を離れるキャンプだからこそ、じっくりと星空を眺めてみませんか?
天体望遠鏡や双眼鏡を使った、天体観測の楽しみかたを解説します。
更新日:2016.11.21
天体観測の楽しみかたとして、天体望遠鏡を使う方法があります。
天体望遠鏡は、星を観る=観察するための道具です。でも、ただ観るだけではありません。星と自分がいる地球の距離をぐっと縮めてくれ、まるで自分が宇宙にいって星へ近づいているような感覚になれる。そんなふうに、擬似的な宇宙旅行ができるのが望遠鏡です。キャンプ場に望遠鏡を持っていくことで、例えていうなら、テントがまるで宇宙船になったかのような感覚を味わうことができるのです。
初めて望遠鏡を使う人におすすめなのは、「経緯台」という種類の望遠鏡です。特徴としては、まずセッティングが簡単なこと。そして、好きな方向にいつでも向けられて、年代問わず扱いやすいこと。なので、親子でも気軽に楽しめます。
キャンプ場で望遠鏡を置く場所のポイントとしては、サイト周りに上から光が当たらない場所を選ぶことがまず第一。トイレや水場、街路灯など、近くに明かりがある場所はできるだけ避けましょう。そしてできれば、地面が平らな場所に設置しましょう。
望遠鏡で星を観るために、いくつかのポイントをご説明します。
1. 組み立ては、日中の明るいうちにやっておく。
2. 同様に、日中にファインダー合わせをしておく(できるだけ遠くのものに合わせておくと、正確性が上がります)。
3. 望遠鏡はそのまま出しっぱなしにせず、クルマの中やテントの前室に入れて夜露を避ける。クルマの中は密閉性が高いので、夜露を防げます。
実際の星空は、どれがどの星なのか、なかなかわからないものです。そこで便利なのが、星座や星の名前を探せるスマホアプリ。たくさん種類があるので、それを使って季節ごとに見られる星座を探してみると、一気に星を探すのが楽しくなります。
また、当サイトでも代表的な星座の見つけかたや由来となったギリシャ神話などを紹介していますので、ぜひご覧ください。
天体望遠鏡は、接眼レンズ部分の取り外しができ、それによって倍率を変えることができます。倍率の出しかたの計算方法を簡単に説明します。
鏡筒にf=910mmなどという表示があります。これは、対物レンズ(主鏡)の焦点距離が910mmという意味です。
そして、対物レンズ(主鏡)の焦点距離÷接眼レンズの焦点距離=倍率です。対物レンズ(主鏡)の焦点距離910mmの鏡筒に、焦点距離20mmの接眼レンズを使用した場合、910÷20で、倍率は45.5倍ということになります。
ただし、倍率が高いものが性能がいいということでもありません。むしろ扱いやすくするためにも、あまり高倍率を意識しないほうが良いでしょう。
より気軽に星を見たいときは、広い視野でたくさんの星が楽しめる「双眼鏡」がおすすめです。肉眼だけでは見えなかった星を発見することもでき、より星のきらめきを感じることができます。
倍率としては、やや低倍率の6~8倍がおすすめです。高倍率だとレンズが暗くなってしまったり、手ブレが起きやすかったり、星を眺めるにはあまり向きません。また低倍率なら、日中のバードウオッチングも気軽に楽しめます。
例:HR8x42WP
これは倍率8倍、対物レンズ42mmの大きさを表しています。この対物レンズのサイズが大きいほど光を集める力が強く、星を見るのに優位になります。
ちなみにWPとは、ウォータープルーフ=防水機能を意味します。
わたしたちがいる地球から、一番近い星はなんでしょう?
忘れがちですが、それは「月」です。天体望遠鏡や双眼鏡を使って、一番身近な月を見てみましょう。
星はいつでも身近なもの。他の星を見るときは、地球を一番意識するとき。
天体観測は勉強ではありません。都会の喧騒を離れるキャンプだからこそ、じっくりと宇宙を眺めて、星と自分が向き合い、さまざまな、そして自由にイメージを広げる遊びとして楽しんでみてください。