焚き火が楽しい季節になりました。ランタンとはまた違った、やさしい光とぬくもりを与えてくれる焚き火ですが、火つけの際に着火剤がなくて苦労した、そんな経験はありませんか? そこで今回は、着火剤の代わりになる身近なアイテムを特集。また、着火剤は簡単に作ることもできます。ワセリンとコットンで作る自家製着火剤や炭布(チャークロス)の作り方もご紹介します。
更新日:2017.10.04
火つきがよく、キャンプ場で比較的見つけやすいのが松ぼっくり。しっかり乾いた松ぼっくりを探しに森を散策するのも楽しいアクティビティです。ただし、湿気ているものは火にくべるとはぜてしまうので要注意。
ほかに、松葉や白樺の皮、ススキの穂なども燃えやすいので見つけたら手に入れましょう。
100均でも購入できる麻ひも。ほぐすと小さな火花でも、大きく燃え上がらせることができます。もちろん、モノをまとめて縛ることもできるので、キャンプでは何かと使える便利アイテム。ひと巻き持って行くといいですね。
ほかにも、内側がパラフィンワックスでコーティングされている牛乳パックもよく燃えると知られています。牛乳パックは、開けば使い捨てのまな板としても使える優れもの。こちらも常備しておくと便利です。
ワセリンと化粧用のコットン(または木綿布)で、とても手軽に自家製の着火剤を作ることができます。ワセリンそのものは火がつきにくいのですが、乾いたコットンや木綿布と組み合わせることで火つきが良くなるんです。
作り方は簡単。湯煎で溶かした白色ワセリンに、化粧用コットンや木綿布をサッと浸すだけです。使用する際は、コットンを軽くほぐし、内側のワセリンが浸みていない部分に火をつけます。
ただのコットン(写真左下)とワセリンを含ませたコットンを同時に着火してみました。ワセリンを含ませたコットンのほうが火持ちがよく、炎の勢いがあることがわかります。
ほかに、おがくずやスモークチップ、木くずに灯油や天ぷら油を含ませたものも自家製着火剤として知られています。天ぷら油のほうが嫌な匂いがありません。
炭布(チャークロス)とは、木綿布を炭化させたもの。炎をあげることはなく、着火剤というには物足りないかもしれませんが、わずかな火花で赤くなり風にも強いため、ブッシュクラフト好きの人たちに大きな支持を得ています。
これも簡単に自作できますが、できあがるまでにそれなりに時間がかかり、熱源も使うので、キャンプへ行った際に焚き火遊びの一環として作るのがおすすめです。
炭布作りに必要なものは、厚めの木綿布(コットン100%)と密閉できるスチール製の缶、太めの釘かペグ、そして熱源(焚き火)。
ちなみに、木の実や葉っぱを炭化させる“お花炭”や、割り箸で作る炭も同様の方法で作れるので覚えておくと楽しいですよ。
密閉できるスチール製の缶にコットン100%の布を隙間なく入れます。お茶やお菓子などのふた付き缶があると簡単です。今回はふた付きの缶がなかったので、ぴったりフィットする2種類の缶を探し、組み合わせました。
ペグを刺してフタに1カ所だけ穴を開けます。
焚き火の中に缶を入れます。缶が熱せられると缶の穴からガスが出て、やがてそのガスに引火します。この炎が消え、缶の内側から煙が出なくなったら終了の合図。それまで焚き火を絶やさないようにしましょう。
缶の穴から煙が出なくなったら、穴にペグを刺して塞ぎます。冷えないうちに内部に空気が入ると、せっかくの木綿布が燃えてしまうので冷めるまでフタをあけてはいけません。
できあがった炭布は、マッチ1本で赤くなり熱を発します。炎は立たないので、ほぐした麻ひもなどと組み合わせて炎を育てましょう。
※このコンテンツは、2017年10月の情報をもとに作成しております。