肌寒い朝に飲む一杯のコーヒーは至福。それが自分で焙煎したコーヒー豆なら最高だと思いませんか?
キャンプ場でコーヒー豆の焙煎をするのは難しそうに思えますが、手網ロースターさえ手に入れれば、いつもの焚き火台やバーナーで自分好みの味に焙煎できます。キャンプ場では朝夕がずいぶん涼しく、焚き火などぬくもりが恋しい季節になりました。火を前にじっくり焙煎してみてはいかがでしょう。
更新日:2018.10.10
生豆はスーパーではあまり扱われておらず、コーヒー豆を専門に販売しているお店(オンラインショップもたくさんあります)で購入できます。自家焙煎をしているカフェでは豆を販売していることも多く、そうしたカフェを利用してもいいですね。“煎る”前の生豆は、ちょっぴり緑がかった色をしていてわずかに青臭いにおいがします。
これがコーヒーの生豆です。豆の品種によって豆の形や大きさが異なるので、最初はなるべく丸っぽく、粒ぞろいの豆を選ぶと均一に焙煎できます。
販売店で相談して粒ぞろいを選んでもらいましたが、それでも欠けている豆や黒い豆、白っぽい豆が混じっていることがあります。これらはあらかじめはじいておきましょう。
コーヒー豆用のハンドロースター。底や脇が弧を描いていて、豆がきれいに動き、ムラなく熱が通る構造になっています。銀杏を煎る時に使う手網でも代用できます。
まずは豆同士をこすり合わせるように流水でサッと洗います。長時間水に触れると豆が水を吸ってしまうので1分程度が目安です。
生豆には薄皮が付いており、事前に豆同士をこすって薄皮を落とすことで、焙煎中に薄皮が舞うのを防ぐことができます。「キャンプ場だから薄皮が舞っても問題ない」と考える場合は、豆を洗う必要はありません。生豆を計量するだけで焙煎に取りかかれます。
なお、今回はより手軽なバーナーを使いますが、炭火だとロースターを振ったときにも熱が届くので、ムラができにくくよりビギナー向き。炭火の場合は、豆を洗う前に炭をおこしておきましょう。
一度に大量の生豆をロースターにいれると、焙煎ムラの原因になります。自分のロースターに最適な生豆の量を計量しましょう。
計量した生豆をザルやメッシュ袋に入れて、軽い力でこすり洗いします。
すぐに水気を切り、タオルやペーパーでしっかり水分を拭き取ります。
水気を取ったら、すぐに焙煎にとりかかりましょう。
いよいよ焙煎です。
冷えた豆を加熱すると表面だけ焼けてしまいます。ステーキと同じですね。そこで、最初の2〜3分は強火の遠火で豆を温めます。
その後は、バーナーから15cmくらいの高さをキープしてロースターを左右に振り続けます。豆の色が全体に黄色くなり、パチパチという音が聞こえ(1ハゼと言います)てきます。そのまま加熱すると音が落ち着き、今度はピチピチという音がします(2ハゼ)。
大まかな目安ですが、1ハゼが終わるころがミディアムロースト、2ハゼのはじまりがハイローストの状態です。
気温や火力、風の有無によって好みの状態になるまでの時間は変化します。ロースターがバーナーの熱から離れすぎないよう、一定の高さで細かく左右に振り続けます。音を聞き、ときおり豆の色をチェックして焙煎しましょう。
右下が生豆を温めて全体に黄色くなった状態。そこから反時計回りに焙煎が進んでいます。右上は少し色づいていますが、中はまだ生の状態。そして左上くらいになると浅入りに近い状態となり、左下が深入りの状態です。
好みの色になったらザルにあげて、うちわであおぐなどして急激に冷まします。そうしないと予熱で焙煎が進んでしまいます。冷めたら、焙煎ムラのある豆を取り除きます。
その場で焙煎したてのコーヒーを味わうのもいいのですが、コーヒー豆は焙煎後に密閉容器に入れて2〜3日寝かせ、豆の中のガスがほどよく抜けた状態の時が一番美味しいと言われています。時間に余裕があれば、自宅で飲む分のコーヒー豆も焙煎してみましょう。「キャンプ場で焙煎したコーヒー」を持ち帰り、キャンプの思い出とともに味の変化を楽しむ……なんてちょっと素敵ですよね。
※このコンテンツは、2018年10月の情報をもとに作成しております。