細めの薪が欲しい時は、ナタで薪を割るのが基本ですが、しっかりした刃がついたものであれば、ナイフでも細めの薪や焚き付けを作ることができます。今回は、ナイフで薪を割る「バトニング」のやり方や、手作り着火剤「フェザースティック」の作り方、それらに適したナイフの選び方などを解説。手元にナタが無い時や、湿った木しか手に入らない時など、いざという時にも役に立つのでぜひ覚えておきましょう!
更新日:2019.06.26
ナイフで薪を割る方法は、基本的にナタでやるのと同じ要領です。
(ナタの使い方はこちら → 正しいナタの使い方)
薪に当てたナイフの背に、ほかの太い薪や木槌などを打ち付けます。刃にかなりの衝撃が加わるので、あまりに薄い刃のものや華奢な作りのものだと、ナイフが破損しかねません。
刃の長さが10〜15cm程度、厚みは3.5mm以上のしっかりとした作りのもの(上写真の下のナイフ)が薪割りに耐えうるナイフの目安です。また、折りたたみ式のナイフは可動部分に負荷がかかってひずみがでることもあるので、ナイフ部分と持ち手が一体型のシースナイフがオススメです。
薪割りには使わない、という場合でも、キャンプで使うナイフは厚さ2.5mm程度はほしいところ。
雨上がりのフィールドでは、焚き付け用に拾ってくる枝がことごとく濡れてしまっていることも多いと思います。芯は乾いているので枝を割りたいのに、ナタがない。そんな緊急時に木の表面を少しだけ削る・割るという状況なら、厚さが2.5mm程度あれば対応できます。
「バトニング」とは、ナイフで木を割る技術のこと。
まず木目を観察し、なるべく木の目に逆らわないよう刃を当てます。刃先ではなく、ハンドル付近からしっかり木に当て、地面と平行になるようにします。
ちなみに、割る木の太さは、刃の長さの3分の2程度におさまると扱いやすいです。
別の薪や木槌などでナイフの背をたたきます。身体と刃が平行になるようにすると、自然な力でたたくことができます。刃を斜めにすると、力が加わりにくいので気をつけましょう。
また、土の上に薪を立てると薪がめり込むだけで割りにくいので、薪を安定して立たせられる板などを台にして作業しましょう。
「フェザースティック」とは、木を薄く長く削って作る焚き付けのこと。
ブッシュクラフトを楽しむ人の間ではよく知られた手法で、火付きがよく、着火剤がなくても楽に火を起こせます。
木を丸く削るイメージで、木の角に刃を当てて削っていくと、比較的楽に、細く・薄く削れます。手前から奥へ、ナイフを前に押し出すように削っていきましょう。
なお、フェザースティックは湿った薪や焚き付けしか手に入らないような状況でも活躍します。濡れた木を半分〜4分の1に割って、乾いた芯を露出させてから作業すれば、乾いた焚き付けが作れます。
薄く削られた木はカールしています。何重にもすることで空気の層ができ、焚き付けだけではなく、火口としての役割が生まれます。
力が入りすぎて削り落としてしまった木くずも、立派な火口として使えます。
現代では、ナイフで鉛筆を削る機会も少なくなりました。
ナタを忘れた緊急時の知恵、そしてナイフの練習がてらに、キャンプのゆったりとした時間を「ナイフで薪&焚き付け作り」に当ててみるのもいいものですよ。
※このコンテンツは、2019年6月の情報をもとに作成しております。