自在金具は、テントやタープのロープ(張り綱)に付いている小さな金具のこと。ロープの長さ調節が簡単にできる優れものですが、踏んづけて壊してしまったり、いつの間にか外れてしまっていて、いざ使おうと思ったらロープに付いていなかったりと、意外と破損や紛失のトラブルに遭遇する機会が多いアイテムでもあります。そこで今回は、そんなトラブル時に慌てないように、自在金具の取り替え方や、自在金具がなくても対応できる簡単ロープワークをご紹介。代表的な自在金具のロープへの通し方や、ロープの長さ調節に役立つロープワークを覚えておきましょう!
更新日:2019.09.04
自在金具にはいろいろな種類がありますが、多くのテントに最初から装備されているのは、写真のようなストレートな3穴タイプか、くの字に曲がった2穴の自在金具です。
ほかにも、簡単に使えて、ロープがゆるみにくい工夫を施した自在金具がたくさん市場に出回っています。なくなったり壊れたりした場合は、ロープの太さにあったものであれば、必ずしも純正の自在金具を選ぶ必要はありません。売店やアウトドアショップで手に入るものを利用すればいいでしょう。
ともあれ、初めて使う自在金具の場合、ロープの通し方に戸惑ってしまうことがあるので、代表的なタイプの通し方を確認しておきましょう。
3つの穴に、順番にロープを通し、最後に結び目を作ってロープから抜けないようにするだけ。簡単です。
2穴の場合は、くの字に曲がっているものがほとんど。自在金具の山のとがったほうにロープの輪ができるよう通します。山のへこんだほうにロープの輪ができるようにすると、ロープがすべりやすく、うまくテンションをかけられません。注意してください。
2穴の別の方法です。輪ができる向きは同じですが、自在金具のへこんだ側からロープを通しています。写真を見比べると、自在金具がしっかりロープに食い込んでいることがわかります。自在金具がすべりづらく、その結果、ロープがゆるみにくくなるのです。
2穴の変形バージョンで、山岳テントに見られる自在金具です。先ほどの自在金具のへこんだ側からロープを通して止める方法とよく似ていますが、変形バージョンのほうは溝に刻みが入っており、より強固にロープを保持します。
ほかにも三角形のプレート、リング状、丸棒のような形状など、いろいろなデザインの自在金具があります。テントやタープの設営はもちろん、建物の柱にロープをかける時や、薪をしばる、荷物の固定などにも役立ちます。
使い方に迷った時は、どのように通すとロープが大きく曲がって金具に食い込むかを考えれば正解が見つかります。
近くに売店がなく、すぐには自在金具が手に入らないこともあるでしょう。そんなときはロープワークで対応しましょう。「自在結び」や「トラッカーズヒッチ」がロープの長さを変えやすい結び方です。
1.ペグにロープを通して折り返したら、その先をもとのロープに巻き付けます。ペグ側に向かって巻き付けるイメージです。
2.作った輪から少し離れた場所に、同じ要領でペグ側に向かって2回ロープに巻き付けます。
3.2回巻き付けたすぐ外側(手前側)から、もう一度ペグ側に向かうようにロープを通します。
4.ロープの端を引っ張ると目がきつく固定されます。これで完成。
作った結び目をスライドさせることで、ロープの長さを調整できます。
1.ロープの途中に引き解け結び(ロープをひねって輪を作り、ペグ側のロープの一部をその輪の中に通して絞り上げる)で輪を作ります。このあとペグにロープを通すので、さきを長めに余らせておくのがポイントです。
2.ペグに通して折り返したロープを、1.で作った引き解け結びの輪に通します。
3.自在結びの最後の結び方(2回巻いて、最後に外側(手前側)から一度巻き付ける。「自在結び」の3.参照)をして完成。
ロープワークというとちょっと難しく思えますが、この結び方は基本的なもの。覚えておくと何かと役立ちます。
「自在金具がない!」と慌てるのではなく「ロープワークを試すチャンス!」と発想を切り替えてトライしてみてください。
※このコンテンツは、2019年9月の情報をもとに作成しております。