先日、オートキャンプの普及促進と、キャンプ場・ギアメーカー・キャンパーの橋渡しをミッションとする一般社団法人日本オートキャンプ協会より、キャンパーならびにキャンプ場、それぞれの視点から取り組むべき「新型コロナウイルス対応ガイドライン」が発表されました。今回はその内容を踏まえ、楽しくキャンプ場で過ごすために、キャンパーひとりひとりがどんなことを心がければよいのか、アウトドアデイジャパン実行委員長・沖田雅生氏監修のもと、キャンパーが講じるべき対策について解説します。
更新日:2020.07.15
先日、一般社団法人日本オートキャンプ協会より「オートキャンプを楽しむための新型コロナウイルス対応ガイドライン」が発表されました。以下がその内容となります。
●キャンパーが講じるべき対策
時々刻々と変わる状況のため、各キャンプ場ではガイドラインに随時改訂を加えているところも多くありますので、その点も踏まえ、キャンパーが講じるべき対策について解説をしていきたいと思います。
これはどこに出かけるにしても基本中の基本ですね。決して無理をすることのないよう(無理しても楽しくないですものね)、また大丈夫だろうと過信しがちなお子さんの体調もしっかりと確認しておきましょう(自戒の念も込めて)。
キャンプ場によっては受付時に全員の体温を確認したり、受付シートに体調のチェックシートがあるところもありますが、自分自身で管理することが大切です。
6月19日以降、県境をまたぐ移動の緩和がなされています。ただ、道の駅、スーパーマーケット、観光施設、高速道のパーキングエリアなど、それぞれの感染予防の取り組みが違っているでしょうから、訪れる地域の情報やキャンプ場発表の情報、ガイドライン等を事前に確認し、それに沿って訪ねるようにしましょう。
地元で買い物をすることは地域振興につながるので、マスクや消毒をした上で訪ねることもいいかもしれません。
また、キャンプ場によっては道具のレンタルを休止しているキャンプ場もあります。事前に確認した方がいいかもしれません。
キャンプ場によっては、HPなどでキャンプ場の取り組みと、いらっしゃるキャンパーのみなさんへの呼びかけを積極的に発表しているところがあります。
例えば今回取材したキャンプ場(サンタヒルズ/栃木県那須郡)では、HPでの呼びかけはもちろん、その内容を受付時にも配布。また、その内容は変わりゆく状況に応じて随時更新を重ねており、すでに7回アップデートしているそうです。まずはキャンプ場が実施している対策をベースラインと考え、プラスアルファで自身の取り組みをするといいでしょう。
まだまだキャンプ場に消毒液が行き届いていない場合もあるので、自身で消毒液や固形石けん・液体石けんを持参しましょう。マイ消毒液があれば、トイレの消毒などもできるのでおすすめです。
お風呂やシャワーなどの各施設に用意されていると安心ですが、その準備がない場合は、いちど洗い流してから使用するといいかもしれません。
取材したサンタヒルズでは、各施設に消毒液が用意されていました。
アルコール消毒液は濃度によっては可燃する可能性もあるので、保管場所には十分注意をしてください。車内に入れっぱなしにしたり、焚き火付近など、火の近くには置かないようにしましょう。また、メタノール(メチルアルコール)は燃料用アルコールで有害なものです。絶対に使用しないようにしてください。消毒用はエタノール(エチルアルコール)です。
共有施設ではマスクを必ず着用し、他人と十分な距離を確保しましょう。特に、炊事場やシャワーは使用する時間が集中しがちなのでゆずりあって利用しましょう。また、炊事場では洗い物のほかに、顔を洗ったり歯を磨いたりします。うがいの吐き出しは思った以上に飛沫します(一度、色の付いたうがい薬を口に含んではきだした経験のある方はご存じかと思います)。うがいをした後は、シンクをまんべんなく洗い流しましょう。
最後に、現時点(2020年7月時点)での提案です。
密集、密接を避けるために、現時点でキャンプを楽しむのはグループキャンプやソロキャンパーの集いではなく、家族や身内に限るのをおすすめします。人数が多くなるほど、どうしても密になったり、不要な接触をしてしまいますので…。もちろん楽しいのはよく知っています。けれど、いまだけはどうかグッと我慢を。どうでしょうか?
この際、食器やライト、手ぬぐいなど各自で専用の道具を用意してみてはいかがでしょうか。共有するよりも衛生的ですし、お子さんにも親任せにすることなく、自分で管理する大切さを覚えさせるのにいい機会かもしれません。窮屈に思えるウィズコロナ時代のキャンプですが、キャンプを通して成長するチャンスかもしれません。
キャンプ場によっては間隔を開けたサイトをコーディネートしてくれます。そのため、周りに他のキャンパーがいなければ、キャンプサイトではマスクは不要です。思いっきり気持ちのいい空気を吸ってください。野原を駆け回ったり、散策したりする際も、マスクは忍ばせておきつつ、周りに人がいない状況であればマスクは不要と思います。むしろ暑い中での熱中症に気をつけた方がいいかもしれません。
キャンプは自然のなかでゆっくり、そしてアクティブに過ごせるレジャーです。キャンプ場さんのガイドラインを守りながら、気の張った生活にゆとりを取り戻していってください。
監修:沖田雅生 アウトドアデイジャパン実行委員長/編集者 https://outdoorday.jp/
取材協力:サンタヒルズ
※このコンテンツは、2020年7月の情報をもとに作成しております。