真夏のキャンプ場は、コンクリートに囲まれた都心部ほどではないにせよ、日中はかなり暑くなり、テント内にもかなりの熱がこもります。夏は大きめのテントを使用し、メッシュやベンチレーターを工夫することで熱がたまりにくくすることもできますが、メッシュ部分の大きなスクリーンタープやフロアレステントのほうがより涼しく眠ることができます。今回はフロアレステントやスクリーンタープで心地よく眠るアイデアをご紹介します。
更新日:2021.07.07
テントには使用人数の目安が記されていますが、定員いっぱいになって眠ると気温も湿度も高くなります。冬はいいのですが、夏は寝苦しく感じることも。
そこで、いつものテントとスクリーンタープに分かれて就寝するか、床はありませんが、天井が高くて大きく開放できるフロアレステントを寝室として暑さ対策をしましょう。その際、必要なのがコットなどのベッドです。
コットは地面からの熱が伝わりにくく、また、背中側の通気性が抜群。
就寝中に雨が降ってきても地面の濡れを気にすることなく眠れますし、蒸れないので地面にマットを敷いて眠るよりも快適です。
万一、雨が降ったときに顔や寝袋が濡れないよう、眠る時はコットの位置を少し内側にしておくと安心です。もちろん、昼間はすぐに対応できるのでコットを端のほうに置いてOKです。
ちなみに、コットはフロアレステント以外のテントで使っても涼しく眠れますが、床がある一般的なテントにコットを入れるとテントの床部分をいためる場合があります。一般的なテントで使用する際は、必ずテントの下にグランドシートを敷き、テントの中にもテントマットを敷き詰めて保護しておきましょう。
コットのほかにスタンドを使ってハンモックで眠るのも手。少々場所をとるのが難点ですが、コットのように寝返りを打ったときにフレームに触れることがないので、より快適に眠れます。
一般的なテントの場合、メッシュパネル付きでもフライシートのおかげで中が見えづらいのですが、フロアレステントやスクリーンタープは丸見えです。出入り口のパネルの角度を調整し、メッシュの下側を閉じるなどして、外から中が見えにくくしておきましょう。すだれと併用するのもいいですね。
メッシュの位置によってはキャンプサイトの外灯がまぶしくて眠りにくいことも。アイマスクを用意すると安心です。
フロアレステントの中にはメッシュパネルがないものもあります。出入り口を大きく開けると風通しがよくなりますが、虫がやってこないか気になります。
そんなときは、後付の蚊帳を用意。コットの上に簡単に設営できる自立式の蚊帳(ポップアップメッシュシェルター)も市販されています。眠るときに取り付ければ、虫に悩まされることなく涼しく眠れます。
ぐっすり眠るためには、食事や入浴で体温を上げてから、体の内側を下げるのがいいとされています。もっとも簡単なのは、眠る前にコップ1杯分の常温〜冷たい麦茶(カフェインの入っていない飲み物)を飲むこと。クーラーボックスに水か麦茶を常備しておきましょう。
シルクなど調湿性の高い素材や接触冷感素材のシーツを使うと、より涼しく眠れます。標高の低い場所であれば、夏用寝袋ではなく、シーツだけをまとうのもいいでしょう。ただし、シーツだけだと、いくら真夏でも寒く感じることがあるので、必ず何か体に掛けるものを用意しておきたいですね。
それでも寝苦しいときは水枕的なものを併用するのも手。
首、脇の下など太い血管を冷やして効率よく冷やせます。ただし、体を冷やしすぎると体調を崩す原因になるのでほどほどに。
荷物は増えますが、暑い夏のキャンプでは扇風機を持っていくのもいいですね。近年はキャンプ場にポータブル電源を持ち込む人も珍しくありませんし、コードレスでパワフルな扇風機も増えています。
なお、扇風機を使用する際は、湿気や雨に触れないよう、本体とコードの場所には十分気をつけましょう。
扇風機は、直接体に風を送って涼むだけでなく、ベンチレーターに向けて風を送って熱気を排出する手助けとする、サーキュレーターのような使い方もできます。
メッシュを大きく開放できない雨の日や、直接肌に風を当てたくない時などに便利な使い方です。
寝苦しい夜は、コットの背中側に風を送って熱と湿気を排出するのもいいでしょう。風が肌に直接当たらないので、一部分だけが冷えすぎるのを防ぎます。あれば、タイマーや首振り機能も使いたいですね。
古典的な手法ですが、打ち水をすると気化熱でわずかですが涼しくなります。
ポイントは朝夕に日陰に水をまくこと。真っ昼間に日なたに水をまくと、湿度が高まるばかりで蒸し暑く感じるので注意が必要です。
古くから伝わるテクニックと、ポータブル電源を利用する最新技術。両方を活用して寝苦しい夏を乗り越えましょう。
※このコンテンツは、2021年7月の情報をもとに作成しております。