ロープと枝で自作キャンプサイトをつくろう!
ロープワークで遊び隊!
更新日:2017.02.23
- こいしゆうか
- 脇役となってしまったロープワークに
再び光を当てる!
こんにちは!こいしゆうかです。
みなさん、「ロープワーク」ってご存知ですか?
キャンパーなら、誰もが一度は耳にしたことがあると思います。
ロープを使って物を束ねたり、固定したりする、ロープの結び方や扱い方の総評です。
でも、聞いたことはあるけど、実際に使ったことはほとんどない、という方も多いのではないでしょうか?
かくいう私も、そのうちのひとり。
ボーイスカウト出身の人にはなじみ深いかもしれませんが、大人になってからキャンプをはじめた私には、難しそうでとっつきにくく、正直いままでほとんど触れずにきました。
というのも、キャンプシーンにおいて「こんな時、ロープワークを使えれば」という場面に出くわしたことが、実はあまり無い…。
タープやテントには自在金具がついているし、ハンモックを木にかけるにしても、専用のバンドが売っているわけで、普通にキャンプをしているだけでは、ロープワークの活躍に触れることがあまり無かったりします。
となると、ただでさえ“難しそうオーラ”が漂うロープワークを「よし、覚えるぞ!」とは、なかなかなれませんよね。私と同じく、ずっと避けてきたという人も多いと思います。
でも、雑誌や書籍で「ロープワーク」の言葉を目にすると、ちょっと気になったりしませんか? やっぱり覚えておかなきゃダメなのかなって。
それに、道具が便利になった現在でも、ずっと「ロープワーク」がフィーチャーされ続けているのには、何かわけがあるはず。できるようになったら、きっとイイこと尽くしに違いない!
というわけで今回は、ロープワークの実力を体感すべく、ソロキャンプへ行ってきました。便利な道具があふれる現代のキャンプシーンにおいて、脇役となってしまったロープワークと向き合い、脚光を浴びさせたいと思います!(私の中で)
木の枝で代用できそうな道具は持っていかない!
こいし考案“棒ナシキャンプ”
半強制的にロープワークを行う状況を作るべく、私、こいしが考えたのは
“棒ナシキャンプ”。
ポールやトライポットなど、棒状のものは敢えて持っていかず、ロープで木にくくりつけたり、枝で代用したり、足りない道具はロープワークを駆使して作ってみようというわけです。これなら遊びながらロープワークを覚えられ、しかも持っていく道具も減らせて一石二鳥。
ロープと枝を使って、“半自作”キャンプサイトを作ります!
今回持っていった主なキャンプ道具
タープ(ポールなし)、ペグ、ハンマー、マット、シュラフ、調理器具、ケトル、カップ、鉈、ロープ、ランタン、チェア、布
ちなみにテーブルが無いのは、ねらったわけではなく、素で忘れました(汗)。
せっかくなので、テーブル作りにもチャレンジしてみようと思います!
まずは材料探し
簡単なロープワークを使って枝を拾おう!
まずはタープを立てるために、ポールの代わりにする枝を探します。
場内を探索して、落ちている枝を品定め。
ポール用の枝は、100cm〜150cmほどの長さで折れにくいものがベスト。
他にも良さそうな枝があれば、あとで役立つかもしれないので拾っておきます。
ここでさっそくロープワークを活用!
「カウ・ヒッチ」という結びです。
まず1本のロープを輪っかに結びます。(本結び)
枝をロープで挟みます。
スリングの一部を輪っかに通して、
できあがり!(長さ調節のため、二回通しました)
手で持ち運ぶよりもずっと安定して運べました。
それに、たったこれだけでも“できるキャンパー”な気分を味わえたかも。
ロープをさりげなく活用していると、上級者っぽい!
ロープワークを使ってタープを設営!
基礎を覚えます
続いてタープの設営。ロープワークを全部覚えているわけがないので、カンニングをしながらの作業です。
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おぉ、これが使えそうだ。
使えそうなロープワークを見つけたら、その場で実践。
ここで使用したのは、「ボーライン(もやい結び)」という、ロープを木に結びつける用途などに使えるメジャーな結び方です。
※木に結ぶ際には、保護にタオルなどを巻きましょう。
「ボーライン」で木に固定したら、続いて反対側を、しっかりとテンション(張力)をかけることができる結び方で、タープに結びつけます。
ここでは、トラックの運転手が荷詰めなどに使うロープワーク「トラッカーズ・ヒッチ」をチョイス。滑車の原理で、軽い力で強くロープを張ることができます。
今回はできるだけたくさんのロープワークを使ってみたいので、いろいろ試してみます。
他にも、簡単に結べる「ツーハーフ・ヒッチ」(ふた結び)も使ってみました。ひと結びを2回するだけで強度がぐんとアップします。
ペグとの固定には、ロープワークの王道のひとつ「自在結び」を使用。結び目を移動させることで、ロープを張ったり緩めたり、テンションの調節が簡単にできる結び方で、自在金具と同じ感覚で扱うことができます。
そしてついに、
ポールと自在金具ナシで、タープの設営が完了!
イメージしていたよりも簡単にできたかも。
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あっ、そうだ!
せっかくだから、ランタンハンガーも作っちゃおう。
カンニングして、いろいろなロープワークを見ているうちに、イメージが湧いてきました。
先ほど拾ってきた余りの枝の1つを「巻き結び」でロープとつなぎ、
「スクエア・ラッシング」という結びで、ポール代わりにしている枝とつなぎ合わせます。
しっかり固定して、ランタンハンガーが完成!
●ランタンハンガー
使用した結び:「巻き結び」×「スクエア・ラッシング」
ハンガー部分の枝には、ちょうど良いひっかけ具合のあるものをチョイス。
雰囲気が自然とマッチしておしゃれかも!?
続いてトライポットとテーブルを作成
自作道具は雰囲気が抜群!
●トライポット
使用した結び:「シェア・ラッシング」
さきほどのスクエア・ラッシングを応用し、3本の枝を巻いて開脚しました。
直火OKなキャンプ場なので、焚き火の上に自作トライポットを使ってケトルを吊るすと
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雰囲気、抜群だわぁ!
誰かに見せたい…。
●テーブル
使用した結び:「巻き結び」×「シェア・ラッシング」
うっかり忘れてしまったテーブルも、ロープワークを使って作ってみました。
「巻き結び」と「シェア・ラッシング」で枝を組み、薪の上に乗せれば、ウッドなローテーブルのできあがり!
ちょこっとかわいいラグをかけるだけで素敵テーブルになったかも?
ロープワークを駆使した
サイトが完成
なんとおおよそ3時間(!)ほどもかけて、ついに
サイトが完成!
なんということでしょう。
サイト内にあるほとんどのものを手作りできました。
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完成ー!!
やたら時間がかかったけど、“自分で作った”っていう感じがものすごいするわ。
ますます誰かに見せたい。
地べたの上に布を敷いたワイルドスタイルで、近年流行りのブッシュクラフトキャンプ気分を堪能。
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自分で作り上げたサイトってだけで充実感があるのに、焚き火を見つつゴロゴロするって最高~!!!
基礎を覚えて、
応用して遊ぶロープワーク
トライポットやテーブルを作っているうちに、「こんなのも作れるかも?」と、すっかりロープワークの虜に。
その結果、こんなのも作ってみました。
●ブランコ
※木にぶら下げる際は、キャンプ場の許可が必要です。
使用した結び: 「巻き結び」×「ツーハーフ・ヒッチ」×「ボーライン」などを応用
思いつきで作ったので、安全性は保証しかねますが、大人が乗れました。
あと、枝は細くて乾燥したものを使うと折れやすいので注意が必要です。
改良して安全に作れば子どもも遊べそう。
まさかブランコまでできると思わなかったので、年甲斐もなくはしゃいでしまいました。
ロープワークを覚えると、
無限に遊びが作れる
ロープワークを最低限覚えただけでも、様々な遊び道具や、便利アイテムのアイデアが浮かび、作ることができました。
キャンプは、道具を揃えないとできないと思っていましたが、ロープと枝で道具の代用ができるなんて、新しい発見!
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さすが先人の知恵です!
まだまだロープワークを覚えたてなので、家に帰ったら忘れてしまうかもしれません。
でも、忘れてしまっても、またキャンプに行ったときに挑戦してたくさん遊び道具を作る、を繰り返していくうちに、ロープワーク術が自然と身につくはず。
みなさんも、敢えてロープワークを主役にするキャンプ、ぜひ試してみてください!
※このコンテンツは、2017年2月の情報をもとに作成しております。