世界遺産に続く森で過ごす!
白神山地のキャンプ場の
魅力をレポート

更新日:2018.08.08

こいしゆうか
世界遺産「白神山地」近くの
キャンプ場をご紹介します!

こんにちは!こいしゆうかです。

仕事柄、年がら年中キャンプをしている私ですが、何を隠そう休みの日もキャンプへ行っています。やっぱり仕事とプライベートでは全然違う。休みになると、気兼ねないキャンプを楽しみたくなっちゃうんです。でも、3連休以上ができた時は、どこか遠くへ観光旅行へ行きたい気持ちも…。限られたお休み、キャンプと観光旅行のどちらにしようか…と、頭を悩ませることもしばしば。
そこで、こいしは考えました。

そうだ、キャンプをしながら観光地を巡ればいいんだ!

観光地近くのキャンプ場を探して、寝泊まりはキャンプ場、日中は観光を楽しんでしまおうというわけです。普通の旅行と比べて荷物や移動の苦労は増えますが、これならキャンプと観光の両方を楽しめる!

というわけで今回から、キャンプをしながら日本中の自然景勝地を巡る「キャンプ旅」を敢行したいと思います。まだ行ったことのないキャンプ場でのキャンプも楽しめるし、一石二鳥。自然景勝地近くのキャンプ場紹介はもちろん、キャンププラスアルファの楽しみ方をお伝えしていきたいと思います!

白神山地の中心にあるキャンプ場
アクアグリーンビレッジ ANMON

自然景勝地を巡るキャンプ旅、その最初の行き先は秋田県と青森県にまたがる「白神山地」。世界自然遺産としても有名なこの地は、なんとその中心にキャンプ場があるんです。

周辺マップ

白神山地とは

白神山地は、青森県と秋田県にまたがる広大な山地の総称です。ここには、人の手がほとんどつけられていない世界最大級のブナ林が広がる森があり、その中に多くの種類の貴重な動物や植物が生息、自生していることから、1993年に世界遺産へと登録されました。

センターハウス

こちらが白神山地にあるキャンプ場「アクアグリーンビレッジANMON」のセンターハウス。白神山地の名所散策の拠点にもなっています。白神山地を散策するためには、届書の提出の必要があったりなど細かい規定があるので、訪れた際はまず一度ここに足を運びましょう。

センターハウスには売店や食堂があり、お土産の購入や食事をとることもできます。

こちらは白神山地の観光スポットをイメージしたという「暗門の滝カレー」。白神山地の世界自然遺産登録25周年を記念して考案されたメニューで、ブロッコリーなどの野菜は森に見立て、岩は鯖の唐揚げで表現。カレーのルーは滝壺をイメージしているそうです。野菜いっぱいヘルシーカレーでした。

山地を散策するための長靴をレンタル(350円)が可能なので、トレッキングシューズを持ってきていない人でも安心!

そして、お風呂もあります!散策の疲れを、森を見ながらリフレッシュできるのはうれしいですね。

キャンプ場の宿泊施設は、
コテージ、オートキャンプサイト、フリーサイトの3種

アクアグリーンビレッジANMONの宿泊施設は、コテージ、オートキャンプサイトのほか、川原にフリーサイトがあります。

コテージ

コテージは素泊まりのみに対応。冷暖房完備で、キャンプ初心者にもおすすめです。

オートキャンプサイト

オートキャンプサイトは20区画。地面はしっかり整備されています。AC電源はありません。

フリーサイト

フリーサイトは川原にあります。オートキャンプサイト同様、クルマの乗り入れ可能。AC電源はありません。

今回私は、このフリーサイトを利用しました。川は浅く、サラサラ流れている程度なので、音は気になりません。ブナの森に囲まれているので自然をダイナミックに感じられ、また涼しく快適に過ごせました。ただし、雨が続くと地面がぬかるむので注意。雨の心配がある時は、地面が整備されたオートキャンプサイトの方が安心かもしれません。

トイレ

トイレは水洗で、比較的きれいなので安心。センターハウスまでも徒歩数分。お風呂が近いのもうれしいですね。

暗門の滝〜ブナ林
トレッキングにGO!

寝床も決まったところで、ここからは観光を楽しみます。せっかく白神山地の真ん中にいるんだから、歩きましょう!

散策ルート

上で紹介したカレーのモチーフとなった暗門の滝が見られる渓谷ルートから、世界遺産の径 ブナ林散策道へ。このルートは昨年まで閉鎖されていたそうですが、道が整備され、今年2018年から歩けるようになったのだそう。(天候によって通行ができないことがあるので、センターハウスで確認しましょう)

散策にあたり、今回はガイドさんを利用しました。もちろん利用しなくても歩くことができますが、ガイドさんを利用すると道中にさまざまなことを教えてもらえます。白神山地の動植物をよりよく知りたい方は、ガイドさんに案内してもらうのがおすすめです。また、ガイドさんを利用すると、暗門の滝で特別な体験もできるんですが、その詳細は後でのお楽しみ!
なお、暗門の滝へ向かう際のガイドさんの依頼は「直接ガイドさんへ連絡」が原則。連絡先は、センターハウスで紹介してもらえます。(金額は依頼するガイドさんやルート等によって異なる)

キャンプ場から10分弱歩くと、暗門渓谷ルートの入り口となる「ご協力金受付所」があります。ここでヘルメットを借り(100円)て、「通行届」を提出します。また、歩道整備のための協力金を支払います(300円以上)。

ここからいよいよ散策スタート。まずは暗門の滝を目指して歩きます。水資源が豊富な白神山地ですが、水害はほとんどないんだとか。ブナは保水力が高いため、雨が降っても大きく広がったブナの葉とブナの落葉が吸収してくれ、ゆっくり地下水として蓄えられてから少しずつ川に流れ込みます。これにより、土砂崩れや洪水などが発生しにくいそうです。

岩から流れ落ちる水を触ると冷たい!ブナによって地面に蓄えられた地下水を触って感じることができます。

奥に進むと、沢と岩の迫力がどんどん増します。キャンプ場からたった少し足を伸ばしただけで触れることができる大自然!冬を超えると大きな岩が沢に落ちてきたりするので、沢の様子が毎年変わるそうです。

ふと見上げると花が咲いていました。これはクルマユリという花。白神山地で自生をする花は少ないそうですが、時折ふっと顔を出します。

1時間ほど沢沿いを歩くと、暗門の滝が見えてきました。目の前に勢いよく落ちる水が大迫力!そして、滝から吹く風が冷たくて気持ちがいい!
さらにさらに、ガイドさんを利用している方限定でできる特別体験。それはなんと、この滝つぼに入れるんです!(その場合は、事前に連絡が必要)

世界遺産で水遊びが楽しめちゃう!贅沢!

最後に、世界遺産であるブナ林を散策するルートに向かいます。世界遺産登録されている「世界遺産の径 ブナ林散策道」は、一周約2kmの初級コース。一度も植樹されていない、原生的なブナ林を歩くことができます。

人の手がほとんど入っていないって聞くと、この場所に立っているだけで、なんか感動的ですね。

ハハハ。でもね、この森はたまたま残っていたわけではなくて、世界遺産になるずっと前から県民たちが守ってきた場所なんだ。

えっ、どういうことですか?

山は昔、村の人たちの収入源だったんだ。県がこの森を伐採して、お金にしようという話になった。でも、この自然を守るために県民が立ち上がったんだ。そのあと長い時間をかけて世界遺産登録へとなったんだよね。

ただ残された自然というわけではなくて、人々の想いがあって守られた自然だったんですね。 こんな素敵な森でキャンプができるなんて、なんて最高なんだ!今日は、白神山地に関わるすべての人たちに感謝しながら眠ります。

その土地の自然に触れると
キャンプがより貴重に感じられる

白神山地は、県民の方々がずっと大切に守ってきた大自然でした。
世界遺産の森のすぐ脇でキャンプができるというだけでも貴重ですが、森を歩き、その自然のことを知ると、より一層ここで寝泊まりできるということのすばらしさや感謝を感じながら過ごすことができました。

白神山地付近には、通常の宿泊施設が離れたところにしかないので、白神山地をめいっぱい1日中体感できるのはキャンプだけ!世界遺産の森のすぐ脇という、贅沢すぎるロケーションでのキャンプを体験してみたいという方にもおすすめのキャンプ場です。

周辺のその他の見所スポット

マザーツリー

観光スポットで有名なブナの大樹です。一般的なブナの樹齢はおおよそ200年程度。しかし、マザーツリーは推定樹齢400年と言われています。

ぶな巨木ふれあいの径

ゆっくり観察しながら散策すると2時間ほどかかるコースです。植樹されているので世界遺産の登録区域には入っていませんが、巨木自体は昔から手つかずなので大変大きいブナを見られるのが特徴です。平坦で歩きやすい径なので、マザーツリーを目標にのんびり散策するのがおすすめです。

今回の遊び場

アクアグリーンビレッジ ANMON
〒036-1424 青森県中津軽郡西目屋村大字川原平字大川添417
https://www.kumagera.net/spot/anmon.html

今回登場したクルマ:フィット
※このコンテンツは、2018年8月の情報をもとに作成しております。