キャンプの朝散歩がもっと楽しくなる!
野鳥フィールドノート
更新日:2021.03.24
- こいしゆうか
- 朝の散歩と一緒に楽しむ、
こいし流バードウォッチングをご紹介!
こんにちは!こいしゆうかです。
みなさんはキャンプの朝の楽しみは何かありますか?私は少しだけ早起きをして、まだ人の少ない自然の中をゆっくり散歩をするのが大好きです。
もちろん普通に散歩をするだけでもとっても気持ちがいいのですが、今回はその散歩をもっと楽しむアイデアをご紹介したいと思います。
それは、バードウォッチングです!
「今さら?」って思うかもしれませんが、野鳥図鑑を片手に散歩をするだけで新しい発見がいっぱい!
さらに今回は、こいし流にキャンプとバードウォッチングを楽しむ方法として、「野鳥フィールドノート」をご紹介します。気軽に楽しめて、キャンプの思い出にもなるので、ぜひやってみてください!また、達人から教えてもらったバードウォッチングの基本や野鳥を探すコツもご紹介します。
今回教えてくれたのは
中村 利和さん
フリーランスのフォトグラファー。身近な野鳥を中心にその自然な表情、仕草を写真に記録している。特に「光」にこだわり、鳥たちの暮らす環境、その空気感を大切にしている。2017年、自身初の野鳥写真集「BIRD CALL」を出版。
野鳥フィールドノートを作ろう!
ここでいう「野鳥フィールドノート」とは、野鳥の観察(目撃)記録のこと。作り方は簡単で、双眼鏡と図鑑を片手に散歩をして、見つけた野鳥を手持ちのノートに描いていくだけ。イラストと一緒に、見つけた場所(キャンプ場)、季節、天気、時間などを書き込みましょう。
キャンプに行くたびに書き込めば、思い出に残る自分だけのフィールドノート=MY野鳥図鑑が完成!自分だけの図鑑をどんどん充実させていくのも楽しくて、まだ見たことのない野鳥に出会えたときは喜びもひとしおです!
どうせなら写真に収めたいという人もいると思いますが、野鳥の撮影は本格的なカメラの装備がないとキレイに撮るのが難しいのだそう。また、写真を撮ることに夢中になって、この遊びの醍醐味である「自然を楽しみながらの観察」が二の次になってしまうことも。キャンプの散歩では、ライトに楽しむのがおすすめです。
イラストはキャンプサイトに戻ってからゆっくり描いてもOKなので、まずは双眼鏡でじっくり野鳥を観察し、図鑑で種類を調べましょう。イラストが苦手な人は、図鑑の写真をコピーして貼り付けてもOK。文章だけ書く場合でも、手持ちの野鳥図鑑の該当ページ番号を書いておくと後で簡単に見直せますよ。
バードウォッチングに必要な道具と適した服装
必要な道具
・双眼鏡
・野鳥図鑑
・ノート
・筆記用具
バードウォッチングに必要なのは双眼鏡と野鳥図鑑。
双眼鏡は倍率と口径で選ぶのが基本となります。倍率は対象をどのくらい拡大して見ることができるかで、初心者には8〜10倍程度がおすすめ。これ以下の倍率だと鳥を大きく見ることができず、これ以上だと手ブレしやすいうえ、視界に収めるのも難しくなります。口径とはレンズの直径のこと。大きいほど光を取り込んで明るく見えますが、その分重量も重くなるので、まずはコンパクトな20mm前後のものか、オールマイティな30mm前後のものがおすすめです。
野鳥図鑑は国内で見られるほぼ全ての種を網羅しているものもありますが、まずは身近な鳥を中心に載せた、持ち運びやすいサイズを選びましょう。本屋さんで実際に手にとって好みの図鑑を見つけましょう。
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野鳥フィールドノート用のノートは、図鑑と同様に持ち運べるサイズを選びましょう。イラスト重視なら白紙のもの、文字もしっかり書くなら方眼紙タイプがおすすめです。
また、フィールドで持ち歩く際は、サコッシュなどショルダータイプのバッグに入れておくと、散歩中に両手が使えるし、必要な時はすぐに取り出せて便利です。
適した服装
服装は、普段キャンプをする時の格好でOK。自然の中を散策するので、足元はアウトドア用のシューズがおすすめです。キャンプ同様、動きやすい格好で楽しみましょう。
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派手な赤色や黄色、蛍光色の服は避けたほうが良いですが、野鳥は色よりも、人の大きな声や足音、大きく速い動作の方が警戒するので、そこまで気にしなくても大丈夫です。
のんびり散歩をするつもりで野鳥を探してみましょう。
道具の選び方と服装のポイント
●双眼鏡は倍率8〜10倍、口径20〜30mmがおすすめ。
●野鳥図鑑は、最初は身近な鳥が中心に載っているものを選ぼう。
●ノートも持ち運びができるサイズを選ぼう。
●服装や靴はいつものキャンプの格好でOK。ただし派手な色は避けよう。
野鳥を探すコツ
早速キャンプ場の近くにある野鳥の森を散策してみます。まだあまり人が出歩かない早朝のキャンプ場や森は、野鳥も近くまで降りてきているので、観察するにはもってこいです。
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鳴き声は聞こえるのに、その姿を見つけるのは結構難しいですね。
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そうだね。鳥を探していると、姿を見つけるより先に、鳴き声に気づくことの方が多い。だから、静かにゆっくり歩いて探すのがポイントだよ。声が聞こえたら立ち止まり、その方向をよく観察してみると見つかることが多い。鳥の声を覚えてくると、この鳴き声の鳥はこの辺りにいる、なんてことも分かるようになるよ。
なお、バードウォッチングをする際は「巣に接近しすぎること」と「餌やり」はNG。鳥たちの生活に干渉しないようにしましょう。
バードウォッチングのポイント
●大きな話し声や、大きな動き、素早い動きを控えよう。
●鳥の声に耳を澄ませて探してみよう。
●巣に近づかない、接近しすぎないようにしよう。
●餌やりはやめよう。
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ほら!あそこにいた!
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えっ!どこどこ!あれかな?
双眼鏡で覗くと全然見えない…。
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双眼鏡は実際よりも映像を拡大して見ているから、覗いてから探してもなかなか見つからないよ。まず目視で鳥を見つけて、そのまま顔を動かさずに双眼鏡を目にあててごらん。
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ホントだ、見えた!
なにあれ、可愛いー!!
双眼鏡の使い方
●初めて使うときは、視差調整リングやアイレリーフを自分仕様に調整しよう。
●覗き方は、まずは目視で鳥を確認して、目線に合わせて双眼鏡を目にあてる。
●日光や強い光を放つものは絶対に覗かないようにしよう。
見つけた野鳥を図鑑で調べてみよう!
双眼鏡で野鳥をよく観察したら、図鑑で確認してみましょう。初心者向けの図鑑は、鳥の大きさ、見かけた場所、季節などで索引できるようになっています。観察に入る前に、一度目を通しておくのも良いですね。
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いま見た鳥は、この鳥ですね。
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正解!あれはエナガだね。野鳥には、一年中同じ環境で生活する留鳥、特定の季節に海外から飛んでくる渡鳥、そして国内でも季節によって移動し生活をする漂鳥などがいるよ。エナガはこのあたり(千葉県)だと漂鳥かな。
今回見られた鳥たちをご紹介
※見られる種類、季節は撮影地の関東平野部を基準にしています。
●身近な留鳥
スズメ 日本の身近な鳥No1といえばこれ。人の生活に寄り添う鳥で、人家の屋根の隙間などで子育てを行う。
トビ ピーヒョロロと鳴きながら大空を旋回する、大型の猛禽(もうきん)類。キャンプの際に見かけたら、ご飯を取られないように注意!
メジロ 淡いグリーンに目の白い縁取りが特徴。いわゆるウグイス色だが、ホーホケキョと鳴くウグイスは別の鳥。春は花の蜜などを求めて椿や梅、桜の木によく集まる。
シジュウカラ 白黒の模様が特徴で、文法を用いて会話をする鳥として最近話題に。春先の街路樹などでもよく見かける。
●漂鳥
エナガ 丸く小さい体に長い尾が特徴。1年中見られるが、冬は群れをつくり移動するので観察しやすい。
ルリビタキ(メス)冬に低地に降りてくる漂鳥。青色のオスの姿も可愛いが、オレンジの差し色が入ったメスもまた美しい。高原のキャンプ場で見かけることも多いので探してみよう。
●冬鳥(渡り鳥)
ツグミムクドリ大の冬鳥。森よりも開けた平地を好み、田畑や河川敷の芝生などでぼーっと立っている姿をよく見かける。
ジョウビタキ(オス)鮮やかなオレンジが目を引く冬鳥。開けた枝先で頭や尾を上下させる姿が愛らしい。
バードウォッチングをしたら
自然をもっと知りたくなりました!
キャンプサイトに戻り、早速ノートに書き込んでみます。
あの鳥は綺麗だったな、こんな色だったなと思い出しながらノートを取ることで、野鳥のことも覚えられて、キャンプの良い思い出にもなりそう。
こうしている間も周りに耳を傾けるだけで、周りにたくさんの野鳥が遊びに来ているのが分かります。
今回作成したフィールドノート
今日見た野鳥だけでも多くの種類を観察できましたが、それは日本の野鳥のほんの一部。
季節によって、または同じ季節でも高原のキャンプ場や林間サイト、海や山といった、環境の違いでも出会える野鳥が変わります。
いつものキャンプ場の散歩コースを変えるだけでも、新しい野鳥との出会いがあるかもしれませんね。
いつもの散歩にちょっと目的を足しただけで、散歩がより楽しくなりました!
このフィールドノートが1冊埋まる頃には、私も野鳥博士になっているかも?
なお、今回は野鳥の観察を紹介しましたが、フィールドノート作りは植物や昆虫でも同じように楽しめます。みなさんもぜひ、興味のある対象で楽しんでしてみてくださいね!