#6
SOLOCAMP STYLE - ソロキャンプスタイル

ソロキャンプ
× トレイルランニング

更新日:2022.06.29
ソロキャンプと一緒に楽しめるアクティビティの魅力を、体当たりで探っていく企画。
1年間365日のうち、180日以上をキャンプ場で過ごすキャンプライターの佐久間亮介さんが、ソロキャンプと組み合わせて、様々なアウトドアアクティビティにチャレンジ。普段は、焚き火をして自然の中でのんびりと自由気ままに過ごすのがスタイルだというハードキャンパーが、ソロキャンプの新境地発掘に挑みます。
「ソロキャンプ」だからこそ、自分の楽しみたいことを我慢せずに、自由気ままに遊べる。
キャンプの楽しさ、遊びの幅が広がる「ソロキャンプ × アクティビティ」をご紹介します。

富士山の恵みを味わい尽くす!
森林浴と絶景のトレイルランニング&キャンプ

トレイルランニングというアクティビティのイメージは、山の中をすごいスピードで走り抜けていく、ハードな印象を持っている人が少なくないだろう。
しかし、実際にやってみるとその印象はガラッと変わる。ゆっくりと自分のペースで走っていいし、急な下り坂などは歩いてもいい。

木漏れ日の中を走る爽快感と、森を抜けた先にある美しい景色。
走ることで次から次へと景色が変化して飽きることがないのが、トレイルランニングの魅力の一つだ。
今回の遊び場は、富士山の麓。
森の中を走る気持ちよさと、富士山を眺めてのんびり過ごすキャンプの時間。富士山エリアの魅力を存分に遊ぶプランを楽しんでみようではないか。

持っていった遊び道具&
ソロキャンプ道具

トレイルランニングで必要な道具は、ウェア類とシューズ、行動食、エマージェンシーキット。
ウェアは汗を素早く発散させるものや速乾性に優れたシャツと雨風を防ぐウィンドシェル系のものを一着準備しよう。トレイルランニング用パンツは、腰周りにスマートフォンや行動食が入るポケットがあってとても便利だ。シューズは自分の足に合うものを吟味するのがおすすめ。水と行動食も忘れずに。ヘッドライトとエマージェンシーシート、ファーストエイドキットは、もしもの備えとしてザックに入れておこう。
積み込んできた主なソロキャンプ道具。
せっかく富士山の麓でキャンプをするならば、ゆったり過ごしたいところ。快適性を重視して大きめのテーブルやコットなどの道具を選んだ。
今回使用したクルマは、シンプルで美しいエクステリアデザインと、SUVにふさわしい力強い走りを併せ持つヴェゼル。
キャンプでの使い勝手も抜群で、載せるものから逆算して設計された広くて四角い荷室空間は、荷物が積みやすく、一人分のキャンプ道具と遊び道具を余裕で積載可能。アクティブなキャンプライフの相棒として活躍してくれる。

今回の遊び場

足和田山(山梨県富士河口湖町)
足和田山の麓にある紅葉台ドライブイン前の駐車場から、歩いて約30分のところにある紅葉台展望レストハウス。そこから足和田山の山頂までのハイキングコース(約7km弱)が今回の遊び場。
※紅葉台展望レストハウスまでクルマで登ることも可能だが、道中が悪路なため注意。
新緑の時期は木々に覆われ緑豊かなコースでありながら、通過地点の三湖台では西湖や青木ヶ原樹海が見渡せるため、景色を楽しみながら走れる。

キャンプ地は駐車場からクルマで約25分のところにある「ふもとっぱら」。午前中にトレイルランニングでアクティブに活動。昼過ぎにはキャンプ場へ移動し、富士山を眺めながらのんびりとキャンプを楽しむ。
CHALLENGING

森、樹海、湖。
移り変わる景色を
楽しみながら走る!

トレイルランニングを一緒に楽しむのは、モデルとして活躍する傍ら、トレイルランニングやバイクキャンプなど様々なアウトドア遊びに精通している山下晃和さん。トレイルランニングのイロハを教えてもらいながら一緒に山を走ることにした。
まずはストレッチをして体を軽く動かしてから走り始める。
僕が持つ先入観では、トレイルランニングは山でタイムを競うように走る、ハードな印象があった。登山の際、たまにすれ違うランナーたちが、歩いている僕らを横目にハイスピードで走り抜けていく印象がとても強かったのだ。
けれど、実際はそんなハードなアクティビティではないと山下さんが教えてくれた。
「山の中を走るのできつい印象を持つ方が多いのですが、実際はそんなことないんですよ。登りがしんどいときや急坂を下るときは歩いてもいいんです。僕はなるべく心拍数が上がらないようにペースをコントールしながら走っていますよ」

山の中を颯爽と駆け抜けるのも楽しそうではあるけれど、それでは走った後にキャンプを楽しむ余裕がなくなってしまう。そんな懸念が頭をよぎっていたから、山下さんのその言葉に胸をなでおろした。

「もちろん、トレーニングを積んで自分の限界に挑戦する方もいて、それもトレイルランニングの魅力の一つではありますけど、ほかにも魅力はたくさんあるんですよ」

ほかの魅力とはなんだろうか。新緑の美しい森の中、緩やかな坂道を走っているだけで、もう気持ちがいいのに。
「走ると景色の移り変わりが早いんですよ」

たしかに、森の中を走っていたと思ったら、あっという間に空が開けて景色が変わった。ハイキングをしていると連続した景色に飽きてしまうことがある。そんな飽き性の自分にトレイルランニングはピッタリかもしれない。

「トレイルランニングは、1日をギュッと凝縮して遊べるんです。歩くと何時間もかかるところ、走れば徒歩の半分くらいの時間で目的地に到着できる。だから行動範囲も広がる。午前中に山を走って、午後からキャンプをするなんてことも可能なんです。アクティビティの時間が短く済む分、そのエリアを余すことなく楽しめるんです」
ほどなくして到着した「三湖台」。ここからは青木ヶ原の樹海を見渡すことができる。この景色を目前にすると、本当に森が海のように見えて、まさに樹海の名に相応しいと思った。

この森は、かつて富士山の噴火によって流れ出た溶岩の上にできたというのだから、富士山のスケールの大きさを感じずにはいられなかった。
三湖台では富士五湖のうち、西湖と本栖湖、山中湖の3つを見ることができる。キャンプ場がたくさんある西湖を上から見下ろすと、遠くにテントを張ったキャンパーが見えた。
目的地の足和田山の山頂を目指して再び走り始める。

「緩やかな下りを走るのも楽しいですよ。木の根っこを避けながら、滑らないように足を進めていく。自然にできたコースを攻略するような感覚です」

山下さんのいわんとしていることがわかる。まるで忍者になったかのような足さばきをして軽快に進んでいけると、歩いているときとはまた違う感覚が得られるのだ。
トレイルランニング用のシューズはさまざまなアウトドアブランドから出ている。僕が選んだこのシューズはクッション性に優れていて、踏み出すのがとても楽。山道が相手なだけに、走る前はもっと足にくるかと思っていたが、足取りはまだ軽い。

そもそもアスファルトを走るよりも土の上を走ったほうが足の負担が少ないのだそう。自然の中を走って、かつ、足の負担が少ないなんて一石二鳥ではないか。
そして到着した足和田山の山頂、五湖台。
残念ながら富士山は隠れてしまったが、展望台からの景色は清々しいものだった。
休憩中に水分と栄養を補給する。体を動かし、たくさん汗をかいたあとに景色のいいところで飲む水のおいしさたるや。これも都会でのランニングでは得難いものかもしれない。
呼吸を整えたところでスタート地点の紅葉台展望レストハウスへと向かう。
終わってしまうのが惜しい。森の中を走る気持ちよさゆえ、トレイルランニングに病みつきになってしまっている自分がいた。

ギア談義に花が咲く、
グループソロキャンプ

キャンプ場へ移動し、チェックインを済ませてテントを設営する。
今回はソロキャンパー同士がキャンプ場で合流してキャンプを楽しむ、“ソログループキャンプ”だ。僕はクルマで、山下さんはバイクでキャンプ場に来た。
「バイクキャンプだと、運べる荷物に制限があるんですよ。バイクの横幅からはみ出ないよう、収納サイズがおおむね50cm以内になる道具を選びます。だから長いポールなどは持ち込めない。でも、制限があるからこその道具選びもバイクキャンプの楽しみの一つです」
と話す山下さん。

リアボックスの中には、山下さんが何年もかけて取捨選択してきた選りすぐりのキャンプ道具がコンパクトに収納されている。
一方、僕はクルマでのオートキャンプがメイン。ラゲッジのスペースが許す限り、好きなだけ道具を持ち込むことができる。

あれもこれもと持っていって実際は使わなかった、なんてこともよくあることだが、買い集めた好きな道具に囲まれてキャンプをするのも、まるで好きな本や文具に囲まれた書斎や趣味のものを集めたガレージの中にいるような満足感がある。
キャンプサイトを並べて設営すると、山下さんのサイトのコンパクトさに驚く。
持っていける道具の制限が多いバイクキャンプ。その魅力を聞いた。

「バイクだと移動の刺激がよりダイレクトに伝わるんですよ。風を受けながら進み、都会を抜けて自然豊かな場所へ行くと、匂いが変わってくる。アクセルを回したときに感じる加速性、爽快感はバイク特有で病みつきになりますね」

その話を聞くと、バイクキャンプにも興味が湧いてくる。
ここからはキャンプ談義の時間。ソログループキャンプのいいところは、キャンプ好きという共通項があり、話が合うことだ。お互いのギアについて語り合ったり、好きなキャンプ場や遊びの話など、話のネタに困ることがない。
山下さんの道具選びのポイントは「いろんなアクティビティやキャンプで使えること」なんだそう。これは、トレイルランニングや登山、パックラフトなどのアクティビティも、バイクや自転車でのキャンプも、際限なくアウトドアを楽しみ尽くす山下さんならではの視点でおもしろい。
トレイルランニングは、シューズとウェア、ザックがあれば始められる。クルマはもちろん、バイクにだって積んでいける。
せっかくキャンプをしにいろいろな土地へ行くのならば、山に限らず、キャンプ場周辺の自然の中や町を走るのもいいと思った。知らない土地を散歩して、初めて見る景色に触れるのは楽しい。走れば、より多くの景色を見て周れ、走り終えたあとには達成感や充実感も味わえる。

次のキャンプからは、常にクルマのラゲッジにトレイルランニングの道具を積んでおこう。
次はどこに泊まってどんな道を走ろうか。
その計画を立て始めたとき、また次の遊びが始まる。
HondaGO バイクラボ
HondaGO バイクラボ
遊び場
紅葉台展望レストハウス〜足和田山山頂までのハイキングコース
〒401-0331 山梨県南都留郡富士河口湖町長浜
キャンプ場
ふもとっぱら
〒418-0109 静岡県富士宮市麓156
https://fumotoppara.net/
佐久間亮介
佐久間亮介
月間最高80万PVのキャンプブログ「camp-in-japan.com」を運営するブロガー、ライター。
1年中、キャンプにまつわる仕事をしているにも関わらず、ぽっかり休みができるとソロキャンプへ出かけるほどのキャンプ好き。
現在は、キャンプ場の新規開業に向けて準備中。
トレイルランニング監修、モデル:山下晃和
バイク監修:高梨達徳
撮影協力: THE NORTH FACE MERRELL
今回登場したクルマ:ヴェゼル
今回登場したバイク:CRF1100L Africa Twin


  • ※このコンテンツは、2022年6月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。