簡単にスモークが楽しめる!
段ボールスモーカーの作り方

まもなくクリスマス。今回は、外遊びのディナーに最適で、ホームパーティでも大ウケ間違いなしの、簡単スモークをご紹介。
デパートやレストランなどでお目に掛かる燻製料理はちょっと高級なイメージですが、ここで紹介するのはホントに楽々。段ボール箱ひとつで楽しめちゃうんです。

更新日:2012.12.10

覚えておこう! 燻製のABC

燻製(スモーク)の基本は、木片を熱して出た煙を食品にまとわせるというもの。煙に含まれる成分の効果で、風味がよくなったり、保存性が高くなったりします。冷蔵設備がない時代には、塩蔵などと共に、食料を保存する生活の知恵だったんですね。煙を出す木材には、サクラやヒッコリーなどいい香りの煙を出すものが選ばれます。

さて、燻製は、加工する温度で3種類に分かれます。

1.冷燻   30℃以下で燻製にする方法。材料にほとんど熱が入らないので、生の状態が保たれます。スモークサーモンなどはこの方法。筋子やタラコなどもおいしいですね。でも、煙を冷やさなければならないので、大掛かりな装置が必要になります。

2.温燻   80℃以下の燻製法。長時間をかけて水分を抜きながら香りをつける、もっとも一般的な方法で、ベーコンなどがこれに含まれます。

3.熱燻   80℃以上の高温で行なう燻製法。短時間で一気に香りをつけますが、強く加熱しますので、素材に火を通すことにもなります。

※燻製の区分は大まかなもので、温度は、容器の大きさや素材の量、熱源の火加減などによって大きく変化します。今回は、加熱済みの食品に燻煙をまとわせ、風味をつけることを目的にしておりますが、小型の段ボールにスモークウッドという組み合わせでは、結果として温燻以上になるケースもあります。

簡単燻製は段ボールでOK

さて、燻製を作るには市販のスモーカーと呼ばれる専用の装置を使うのが一般的ですが、食品に煙をかけるだけですから、身近にある物も利用できます。

また、煙を出す材料にはチップと呼ばれる細かい木片を使うのが一般的ですが、最近では、木くずを固めた巨大な蚊取り線香のようなスモークウッドという素材が売られていて、これなら端っこに着火すれば勝手に煙を吐き続けてくれます。保存も効くので何本か買っておけば、いつでも楽しむことができますね。
今回は、この段ボール&スモークウッドで挑戦です。

スモーカーと呼ばれる専用の器具

このようなスモーカーと呼ばれる専用の器具も市販されています

スモークウッド

スモークウッドはこのように樹木別に製品化されていますから、好みのものを選びましょう

必要なもの

段ボール箱1.段ボール箱
あまり大きな物は必要ありません。50cm四方くらいでいいでしょう。あまり薄いものは材料の重さで壊れてしまいます。
金網2.金網
段ボール箱の中に渡して、食品を乗せるためのもの。100円ショップなどで売られている魚焼き網などで充分。
スモークウッド3.スモークウッド
最初はサクラやヒッコリーなどあまりクセの強くないものを選ぶといいでしょう。だいたい1本1,000円前後。アウトドアスポーツ店やネットで購入できます。
皿4.皿
スモークウッドを乗せておくためのもので、陶器でも金属でもかまいません。アルミホイルで包んでおけば汚れません。
棒5.棒
金網を段ボール内に固定するためのもの。菜箸などでも大丈夫。

お手軽冷燻作りに挑戦!

段ボール箱の中に棒を刺し通して、そこに金網を乗せれば準備OK。ベランダや庭などで、皿の上にスモークウッドを乗せ、端に着火します。段ボールの上ぶたを開けて、素材を金網に乗せたら、閉めて、ガムテープなどで仮止めします。それをしずかにスモークウッドの上に乗せれば燻製開始。あとは、じっくり待つだけです。

おすすめなのは、かまぼこ類やゆで卵などすでに加熱済みの加工食品。特に、板かまぼこ、竹輪、はんぺん、かにカマやチーカマは失敗知らずで、絶品です。ゆで卵は、最近人気ラーメン店で「燻タマ」なんて言って人気トッピングになっていますよね。チーズもおすすめですが、熱で溶けてしまうことがあるので、6Pチーズなど堅めのものを選びましょう。変わったところでは、アーモンドやピーナッツ、クルミなどのナッツ類、魚肉ソーセージ、軽く焼いたシシャモも香りをつければおいしいですよ。なお、今回はすでに火の通ったものに香りをつけて楽しむものです。生の肉や魚などは避けましょう。

手順

step.1

段ボールに棒を通すための穴を開け、金網を支えるための菜箸などの棒を通します

step.2

棒に金網を乗せて、準備完了

step.3

皿はアルミホイルで覆っておきます。スモークウッドは適当な長さにカットして着火します

step.4

素材は重なったり、触れ合ったりすると、その部分に煙が当たらないので、注意して並べます

step.5

着火したスモークウッドの上に段ボール箱をかぶせ、上フタを閉めたらガムテープで固定します。煙の出具合や燃焼の有無を確認するため、煙が漏れる程度の小さなすき間をあけておきましょう

step.6

フタの隙間から盛んに煙が漏れ始めてきました。いい香りが漂います! あとは、このまま1~2時間待つだけです

完成

ほどよく色づいて美味しそうな香りが立ち上ってきます。しばらく冷まして香りを落ちつけます

選んだ素材にもよりますが、煙をかけるのはだいたい1~2時間くらい。表面が色づいて、香りがつけば完成です。途中、何度も確認すると仕上がりが遅くなりますが、慣れるまではチェックしたほうがいいでしょう。

簡単スモーク

素材が冷える頃には香りも落ち着いて、食べ頃になります。簡単にちょっとゴージャスな気分が味わえる簡単燻製…ぜひお試しください。

※このコンテンツは、2012年12月の情報をもとに作成しております。