まもなく桜前線が列島を北上します。そして外遊びもシーズンイン!すがすがしい春の野山は最高の外遊びステージですね。今回はランタンや調理用コンロなど、燃料を必要とするアウトドア用品について考えてみましょう。どんなタイプが便利?目的別の使い分け…そんな身近なテーマです。
更新日:2013.03.11
市場に並ぶさまざまなアウトドア用品。特に燃料を必要とする照明器具や調理用コンロを選ぶ場合、用途やシチュエーションにきちっと合わせることが大事です。アウトドアにおいて、快適な使用感は大切な要素。商品とシチュエーションが合っていないと、使いにくかったり、さまざまなロスが出たり…。それはストレスになって、せっかくの休日に影を落とすかもしれません。
調理用のコンロなどは、都市ガスを上回るような火力を持つものもあり、揚げものや炒めものは、家庭で作るよりもおいしくできる…なんて声もよく耳にします。そんなうれしい性能を最大限に発揮させるためにも、燃料の特性について覚えておきましょう。
アウトドアの照明器具や調理用コンロで多用される燃料は、大きく分けてLPガスとホワイトガソリンの2種。灯油など他にもいくつかありますが、マーケットで手に入りやすく、高い人気を得ているのはこのふたつと言っていいでしょう。どちらを選んでも、野外のひとときを楽しくサポートしてくれるはずです。
しかし、それぞれの特徴を知って、シチュエーションに合ったセレクトをすれば、さらに快適な外遊びを約束してくれます。
このランタンと調理用コンロはどちらもLPガスを使うタイプ。燃料を統一しておくと荷物もかさばりません
ホワイトガソリンはその名のとおり、ガソリンを精製したもので揮発性が高く、強い火力、熱量を得られるので、古くからキャンプ用品の燃料として使われてきました。ホワイトとは言っても実際には薄いブルーなど着色されていることが多く、液体の状態で缶に詰められて販売されます。
ホワイトガソリンは金属缶で販売されます。あまり長期の保管は避けた方がいいでしょう
LPガスカートリッジもサイズが各種あります。なんといっても操作が簡単なのが魅力
一方、LPガスは、液体化したガスで、カートリッジに充填した状態で販売されています。
両方とも、アウトドア用品店や大型量販店などで簡単に手に入りますし、ネットでも購入可能ですから心配ありません。
ただ、長期の保管は変成してしまうこともあるので避けましょう。
基本的に、ランタンや調理用のコンロなど、同一のキャンプで使う器具は燃料を統一しておいたほうが効率的です。
また、どちらを使うにしてもテントなど換気が充分でない室内での使用はNG。室内用ランタンはLEDタイプのように乾電池やバッテリーを使うもの用意しておけばOKです。
ホワイトガソリンを使うタイプのランタン。着火にはポンピングという作業が必要
ホワイトガソリンは、アウトドア用の燃料として人気が高い燃料です。ガソリンと聞くとちょっと怖いイメージを抱く方もいるでしょうが、取り扱いの注意を守ればまったく問題ありません。その長所はどんな状況でも安定したパワーを得られるということ。風にも強く、LPガスと異なり冬など低温期でも心配なく使うことができます。
このタイプでは、燃料に強い圧力をかけて噴射させ、それを自らの燃焼熱でガス化します。この仕組みによって厳寒の野外でも着火が容易で火力も維持できるのですが、そのために必要なのがポンピングという作業で、着火の前に燃料タンクに空気を送り込まなければなりません。ベテランの中にはこれが楽しいという方もいますが、慣れるまでは面倒くさいかもしれませんね。ファンの中には独特の力強い燃焼音が好きという方も少なくありません。
また、燃料代が安いというのも魅力。同条件ならLPガスに比べ約40%で済むという試算もあります。
なお、使用後、ホワイトガソリンが燃料タンクに残ってしまった場合、次の使用まで間が空く場合、抜いておくことをお薦めします。
一方、LPガスは、カートリッジなので扱いが簡単。家庭で使う卓上用カセットボンベの野外用と考えればいいでしょう。
現場に到着したら、カートリッジをねじ込んでセットするだけ。あとは着火です。使い終わったら、同じように外して持ち帰るだけで、ホワイトガソリンのように使い残しに気を遣うこともありません。もちろん、カートリッジは次回、そのまま使うことができます。つまみをひねるだけのワンタッチで着火できるモデルが多いのも魅力。
かつては初心者向けのイメージもありましたが、最近はハイパワーなモデルも登場し、簡便性に惹かれてこのタイプを使うベテランも多いようです。
ただ、温度の低下と共に火力が落ちてしまうという欠点があります。通常、さほど気になるレベルではありませんが、最近流行の冬キャンプなどでは物足りなく感じるケースがあるかもしれません。また、使用済みカートリッジも廃棄の際は、きちんと穴を開けておく必要があります。
いずれにしても、手軽さ、便利さで選ぶならLPガスタイプですね。
LPガスカートリッジは上部のネジ部分を、それぞれの器具にセットするだけで着火準備完了
LPガスカートリッジは使い切ったら穴を開けて処分します
※このコンテンツは、2013年3月の情報をもとに作成しております。