まもなくアウトドアシーズン本番。キャンプ、トレッキング、フィッシング、バードウォッチング…いろいろなレジャーが山や海で待っています。とはいえ、寒い間、しまい込んだままの道具も多いのでは? そこで、今のうちに見落としがちなポイントをチェックしておきましょう。
更新日:2014.04.11
1年を通じて外遊びを楽しむファンも増えていますが、寒い季節はちょっと…という方も多いのでは? やっぱりゴールデンウイーク近くにならないとね…なんて声もよく耳にします。
そうなると、去年の秋あたりからご無沙汰になっているアウトドア用品もあるはず。数ヶ月しまい込まれたままの用具をそのまま持っていくと、現場に着いてから頭を抱えるようなことになったり、不快なアクシデントに見舞われたりすることも少なくありません。
そこで今回は、チェックしておきたいポイントを紹介。備えあれば憂いなし…ですよ。
最近のテントやタープ類は、生地などの進化で、軽くて丈夫になりました。とはいえ、気づかぬうちに傷ができていたり、汚れが残っていたりするものです。傷は放っておけば浸水の原因になりますし、汚れはカビや虫を呼びます。
そこで、天気のいい日にベランダや庭で広げてみましょう。庭の場合、湿った土の上に広げると、湿気を取り込んでしまうこともあるので注意。芝や雑草など植物の上も長時間は禁物。葉や地面から蒸発する水分が生地に結露することがあるからです。
さて、刃物や枝などで切れた裂き傷はチェックしやすいのですが、意外に気づかないのが焚火などの火の粉が飛んで開いた小さな穴。テントやタープの近くで火を焚いたことがある方はじっくりとチェックしたほうがいいでしょう。
リペアシートやテープは、現地にも持参すればアクシデントにも対応できます
写真:コールマン「シームシーラー&リペアシート」
汚れは目視で確認し、薄めた中性洗剤などで拭き取っておきます。見落としがちなのが鳥の糞で、テントサイトの上空を飛んでいた時や、とまった枝からポトリと落ちたのがそのままこびりついていることが珍しくありません。放っておくとカビの原因になったり、生地を劣化させたりします。傷を発見したら、リペアテープを貼って修理しましょう。最近では、それぞれのメーカーで補修用のテープを発売しているので、それを利用すれば簡単。
また、テント用の撥水剤も各種販売されていますので、塗布しておくと水弾きがよくなり、汚れも付きにくくなりますし、シームシーラーと呼ばれる縫い目の防水補強材も便利です。
撥水剤を塗布しておくと水弾きがよくなるので、汚れもつきにくくなりますよ
写真:コールマン「テント撥水剤」
テントのファスナーをスムースにするこんな樹脂も便利です
写真:モンベル「スムースライダー」
燃料ポンプから抜き取る専用のポンプも売られているので、利用すると便利です
写真:コールマン「残ガソリン抜き取りポンプ」
ガスカートリッジタイプの燃焼器具は、使用したらカートリッジを外して、キャップをつけておけばいいのですが、ホワイトガソリンのような液体燃料は抜いておくことをおすすめします。ガソリンが変質して燃焼部品を傷めたり、ガソリン内に含まれた微量の水分が結露してタンク内部をサビつかせたりする可能性があります。もちろん、次の使用までそれほど時間が空かない場合はそれほど神経質にならなくてもかまいませんが、ひと冬使わない…なんて場合は、燃料を抜くための専用のポンプを使い、内部を乾かしておくのが理想的です。
うっかり入れっぱなしにしてしまった場合は、一応燃焼させてみましょう。もし、火がなかなか安定しなかったり、炎の色がおかしかったら要チェックです。今のうちに点検に出しておいたほうがいいでしょう。
なお、燃料の買い置きもあまりおすすめできません。できるだけワンシーズンで使いきったほうがいいでしょう。
ナイロンなど化学繊維と違って、天然皮革やウール、綿、麻、木材といった天然素材はカビに脆いので要注意です。昨今のアウトドア用品では、化学繊維が主流となっていますが、コットンのテント、羽毛のダウン製品、綿や麻の布地を使ったチェアや収納バッグなども、まだ目につきます。
万が一カビを発見したら、木部などであれば布巾できれいに拭き取り、風通しのいいところで充分に乾燥させます。アルコールで拭けば完璧ですが、塗装や染めに影響しないかどうか、目立たないところで試してからのほうがいいでしょう。
布の場合、ブラシなどでカビを払い、軽く叩き、やはり充分に乾燥させます。市販の防カビ剤を使うのも手ですが、繊維を傷めたり、変色させたりするおそれがあるので、やはり目立たないところで試してからのほうが安全です。
いずれにしても、カビが発生したということは保管場所と保管方法に問題があったわけで、次に長期収納する場合には注意しなければなりません。同じ場所であっても、しょっちゅう風通しをするとか、除湿剤をたっぷり置くなど対策が必要です。
冬は空気が乾燥しているから…と、押し入れや物置に入れっぱなしにする方も多いですが、最近の家屋は密閉性がよいため、締め切っておくと意外に湿気がたまります。
シュラフは、秋の終わりに干しておいたから大丈夫…という方も多いと思います。でも、ぜひここで再点検。充分に干してあればカビなどの心配はないと思いますが、何度か使っているうちに内側の隅にたまったゴミがそのままになっていることがあります。衣服についていた葉や木の枝だったり、小さな虫だったり…。こういったゴミはカビを呼ぶ原因にもなりますので、しっかりと除いておきましょう。
そこで、裏返して隅までチェックです。目視でゴミを除いたら、粘着ローラーで細かいほこりをとっておけばOK。掃除機で吸うという手もありますが、あまり強力だと中綿が偏ってしまうことがあるので注意です。
同じ理由で、テント内などで使うシートなども隅の方のほこりをチェックしておきましょう。
ダッチオーヴンは、すっかりアウトドアクッキングの人気ものになりました。充分にクリーニングをし、油で拭き上げておけばサビが生じることはありませんが、長期間、放っておくと稀に赤サビが浮き出していることがあります。特に、シチューのように塩気があって、水分の多い煮込み料理の後は注意!
もし、サビを発見したら、紙やすりやスチールウールを使って削りとって、クレンザーで磨きます。しかし、鉄の地肌が露出してしまうので、新品と同じように再びシーズニングをしておきます。
テントやタープを風から守り、ピンッと見栄えよく保ってくれるのが、ロープとペグですが、いつの間にか減っていたりして…。撤収の際、つい抜き忘れて、次の設営で「あれ? 足りない…」なんてことが珍しくありません。
ここでチェックのついでに予備を2、3本購入しておきましょう。色付きの樹脂製や、塗装された金属ペグならいいのですが、地味な色だと撤収の際につい見落とすこともあります。曇りや夕方だったりするとなおさら…。そこで、ペンキやラッカーで見やすい色に塗っておいたり、明るい色のリボンを結んでおいたりすると便利です。目立つというと、黄色をイメージしがちですが、周りが枯れ草だと案外埋もれてしまうので注意…。こんな作業も、やっておくなら今のうちですよ。
マントルは燃やして灰のようにして使うので、基本的には毎回新たに装着するようなつもりでいたほうがいいかもしれません。多めに用意しておきたいですね
写真:コールマン「マントル(95型)」
これからの季節、冷たい飲み物や、食品の鮮度を保つために大活躍するのがクーラーボックス。その使い方は、以前ご紹介しましたが、シーズン前にもう1度チェック。
開けてみて、なんとなく匂いがこもっていませんか。洗っておいたつもりでも、長期間閉じたままになっていると、内壁の樹脂にしみついた匂いが再びこもっていたりします。いずれにしても、シーズン前に1度クリーニングしておくにこしたことはありません。
まず、ざっと水で流して、薄めた中性洗剤と柔らかなスポンジで洗いましょう。水抜き穴と栓は汚れや匂いが残りやすいので、柔らかめの歯ブラシを使ってていねいに…。
内面が樹脂製の場合は絶対に堅いブラシを使ってはいけません。細かい傷がつくと、匂いや汚れが付きやすくなるだけでなく、乾きにくくなるので不衛生です。匂いがとれない場合は薄めた酢で拭くと効果があります。また、食器用の消毒用アルコールで拭いておくのもいいでしょう。
洗い終わったら充分に乾かし、保管します。中に、小さな乾燥材を入れておくのもいいですね。
※このコンテンツは、2014年4月の情報をもとに作成しております
※監修者(アドバイザー):三浦 修