扱いが難しいと思われがちな加圧式のガソリンバーナー。確かにガス仕様のものと比べると手間はかかりますが、慣れれば全然難しくはありません。急な冷え込みでも火力が安定しているガソリンバーナーは、キャンプの強い味方。この機会に扱い方を覚えておきましょう。
更新日:2017.08.09
バーナーやランタンなどの火器類で使われる燃料は、一部、白灯油を使う製品もありますが、「ホワイトガソリン」、「OD缶(アウトドア缶)」、「CB缶(カセットボンベ缶)」の3種類が主流です。
左からホワイトガソリン、OD缶、CB缶。ホワイトガソリンは不純物を取り除いているため、バーナーやランタンのジェネレーターが詰まりづらくなっています。OD缶やCB缶は、バーナーまたはランタンのメーカーが指定するものを使用してください。サイズも形も似ていますが、ほんのわずかに口金のサイズが異なっている場合があります。
OD缶とCB缶を用いるバーナーやランタンは、バルブを開いて点火するだけ。手軽に扱えることで人気です。またメンテナンスもほぼ不要で、Oリング(オーリング)の劣化を確認(必要があれば交換)する程度で済み、手間がかかりません。
ただ、気温や気圧の影響を受けやすく、寒い季節には「寒冷地仕様」とうたった燃料が必要となります。また、長時間使用しているとドロップダウン(缶が冷え、火力が落ちる)という現象が起きることもあります。
ホワイトガソリンを用いるバーナーやランタンは、タンク内に圧力をかけることで燃料を送り出します。そのため、ポンピングという圧力をかける作業が不可欠。また、定期的にリュブリカントをさしたり、ポンプカップやジェネレーターを交換するなどメンテナンスが必要です。
しかし、きっちり加圧すれば、気温や気圧に関係なく安定した火力を得られるのが魅力で、キャンプ好きの支持率は高値安定といったところ。
なお、「圧力をかける」という言葉から「爆発するんじゃないの?」と不安に思う人がいるようですが、加圧しすぎで爆発することはありません。
バーナーとランタンは、燃料を揃えたほうが経済的。写真はホワイトガソリン仕様のバーナーとランタンです。OD缶やCB缶仕様よりも点火までの手順は増えますが、慣れると手間とも思いません。
OD缶やCB缶仕様のバーナーは、「燃料セット→燃料バルブを開いて点火」の2ステップですが、ガソリンバーナーは「燃料を注ぐ→ポンピング→燃料バルブを開いて点火→追加ポンピング」というのが大まかな手順となります。
なお、タンクに入れる燃料量の目安やポンピングのポイント(ノブの押さえ方など)はガソリンランタンも同じです。
1.燃料を注ぐ
燃料バルブとポンプノブを右に回してオフにしてから、タンク内にホワイトガソリンを注ぎます。タンクの中をのぞくと、光で燃料表面が白っぽく見えるので、8分目まで注ぎましょう。なお、燃料缶は、写真のように注ぎ口を上にすると、ドバッと燃料が出すぎることを防げます。
燃料を注いだら、燃料キャップを閉めます。
2.ポンピング
ポンプノブを左に2回転させた後、ノブの小さな穴を親指でふさぐようにして手を添えます。
ポンプノブをまっすぐ引いて、まっすぐ奥まで押し込みます。これがポンピングという作業です。この動作を繰り返して、押し込めなくなるくらいまで固くなったら作業は終了です。穴から指をはずし、ノブを押し込み、右に回しておきます。
3.タンクをバーナー本体にセット
バーナー本体にセットします。点火後にもポンピングを行うので、バーナー本体はしっかりとした台に載せておきます。
4.点火
サブバーナー(左側)のバルブが閉まっていることを確認した後、点火レバーを上向きにします。
自動点火はできないので、ライターの炎を近づけながら、燃料バルブを1〜2回転。点火直後にタンク内の圧力が下がるので、点火した状態でポンピングをして加圧します。
5.点火レバーを下向きに
赤い炎が、青白くなったら安定した証拠。点火レバーを下向きにします。調理中、圧力が下がるので様子を見てポンピングをしましょう。
サブバーナーは、メインバーナーを使っているときにのみ使用できます。メインバーナーほどの高火力は得られないので、とろ火向きの煮込みや炊飯などに使いましょう。
※このコンテンツは、2017年8月の情報をもとに作成しております。