焚き火やバーナーにかけることができるシェラカップは、寒い季節のキャンプに、とっても重宝します。このシェラカップ、実は調理にも使えます。今回は、シェラカップとはどんなギアなのか、その基本に加え、ソロキャンプやあと少しごはんが足りない時に役立つ、シェラカップでの炊飯方法もご紹介します。
更新日:2017.11.01
シェラカップとは、ステンレスや真ちゅう、チタンなどの金属製の広口カップ。もともとはアメリカに本部を置く自然保護団体「シエラクラブ」が作った公式カップですが、軽くてスタッキング収納(重ねて収納)ができること、そして焚き火やバーナーなどの火にかけられるタフさを持つことで、世界中のキャンパーに高い評価を得ています。
現在はいろいろなメーカーからシェラカップが販売されていて、素材もさまざま。ですが、広口で、細くて長い取っ手をもつスタイルは不変です。そのため、異なるメーカーでも、同じサイズのシェラカップであればスタッキングできます。
サイズは容量300ml程度のものがスタンダード。メモリ付きのものもありますが、メモリがない場合は、フチから1cmのところまで満たした水=250ml、1.5cm=200ml、3cm=100mlが目安(約φ12×H4.5cm:容量300mlの場合)となります。
水250mlの目安(フチから1cm)
水100mlの目安(フチから3cm)
シェラカップは火にかけられる食器です。写真のようなバーナーはもちろん、焚き火、炭火にもかけられます。ただし、まれにシェラカップと同じ形なのに、特殊なコーティングを施していて火にかけられないものもあるので、素材を確認しておきましょう。また、ハンドルが細く長く伸びた形状なので、短時間の加熱であればハンドルを素手で持つことができます。
250mlのOD缶を収納できるアルミクッカーの蓋(=小鍋)と比べてみました。小鍋はφ12×H6cmで、シェラカップは約φ12×H4.5cm。口のサイズは同じですが、シェラカップは底が約φ8cmとしぼんでいるので、バーナーのゴトクのサイズに注意しなければいけません。一方、焚き火にかけるとうまい具合に火に包まれます。
シェラカップに米と水を入れます。計量カップで米100ml、水120~150ml分を用意し、米を洗ったらシェラカップに入れて、よく吸水させます。寒い時期であれば1時間以上吸水させたいところ。
シェラカップに蓋をします。写真のように同サイズのシェラカップを蓋としてもいいですし、アルミホイルをかぶせてもOK。シェラカップを蓋とする場合は、沸騰すると蓋が浮き上がってズレることがあるので、石を乗せておきましょう。
火加減は、シェラカップの底に炎があたるくらいの中火で沸騰させます。沸騰までの時間はバーナーの火力や気温によりますが、3分程度。
あわせ部分からブツブツと泡が出てきたらトロ火に。そして泡が出なくなり、音が静かになったら炊き上がりです。ただし、写真でもわかりますが、せっかく水分量を計っても盛大に水がこぼれてしまいます。普通~やわらかめのごはんが好きなら、水分が少なくなったころに熱湯を30~50mlほど追加してみましょう。
水分がなくなったら、最後に10秒ほど中火にして香ばしさを与えます。あとは蓋をしたまま10分ほど蒸らして完成です。底はところどころお焦げができて、おいしく炊き上がります。シェラカップでの炊飯は、ソロキャンプや、あと少しごはんが足りない場合に便利です。
ほかにも、2個のシェラカップと小型の焼き網を組み合わせればスモークができますし、温めながら食べるバーニャカウダやチーズフォンデュ、オイルフォンデュの器としても活用できます。
シェラカップは食器であると同時に、小さくて優秀な調理器具でもあります。今まで食器としてしか使っていなかったという方は、ぜひ調理でも使ってみてくださいね。
※このコンテンツは、2017年11月の情報をもとに作成しております。