通常、有名ブランドのテントやタープにはそのテント、タープに最適なペグが付属されています。しかし、付属のペグは軽さを優先しているため、硬い地面に対応できない場合もあります。いざというときに備え、タフなペグを手に入れておくと安心です。そこで今回は、付属ペグに追加するペグの選び方を解説。一口に「ペグ」と言っても、素材や形、長さなど、その種類はさまざま。それぞれの特徴を覚えておきましょう。
更新日:2018.03.26
テントによく付属されているペグのひとつが、写真のようなプラスチック製のペグ=プラペグです。プラペグの特徴は軽いこと。また、断面がXやT型になっているため地面に接する面積が大きく安定感があり、芝生や柔らかな土のサイトでしっかりテントを固定できます。しかし、石混じりの地面では刃が立たず、最悪、折れることもあります。
なお、一般的に重いハンマーほど作業がはかどりますが、プラペグを重いハンマーで打ち込むとペグに負担がかかります。プラペグにはゴムかプラスチック製の付属のハンマーを使いましょう。
写真右の細くて断面が丸いピンペグも、よくテントに付属されています。こちらも軽くて扱いやすいのですが、風の力を受けるとクルンと回転し、張り綱が外れてしまうことがままあります。そのため、張り綱ではなくインナーテントを直接抑えるために使うことが多いペグです。やはりピンペグも硬い地面では曲がりやすいです。
●鋳鉄製、ステンレス製
硬い地面でも信頼できるのが鋳鉄製やステンレス製のペグ。石混じりの硬い地面でもものともせず、地面の中に入っていきます。大きく曲がることがほとんどないというのも頼もしいですね。難点は重量感。テントやタープの形状・大きさによりますが、テントもタープも8本以上のペグが必要なので、まとめるととても重く、かさばります。
また、鋳鉄製は濡れたままでは錆びやすいので保管に気をつける必要があります。
●アルミ合金製
もっと気軽に使いたいなら、軽さとタフさを備えているアルミ合金製のペグを用意。鋳鉄製やステンレス製ほどではありませんが、こちらも硬い地面に対応します。アルミ合金には素材の配合や処理の仕方によって1000系〜8000系まであります。一般的に番号が大きいほど強度が高い傾向にあるので、ペグ選びの参考にしてください。
ピンペグに似た形状ですが、径が太めのジュラルミン製ペグ。ジュラルミンはアルミ合金の一種で、ジュラルミンや超ジュラルミンは2000系、超々ジュラルミンは7000系となります。太めなので重そうに見えますが、驚くほど軽いのが特徴です。
ペグ選びは素材だけでは決定できません。風の影響を受けやすいタープや大型テントには、長めのペグが必要です。スタンダードなドームテントは20cm程度、大型テントやタープは30cm以上が目安。砂や雪など柔らかな地面なら、より長いペグが安心です。
次に断面に注目。丸い断面は地面に刺さりやすく、しっかり刺されば地面との隙間ができにくいという特徴があります。
断面がVやY、X、U型になっているものは、風の力で地面の中でクルクル回ることがありません。V型やU型はスタッキング収納できるので持ち運びも楽です。VやY、X型は隙間に泥が付着しやすいという難点もあります。
写真左はプレートをスライドさせて使うクロスペグ。X型に広げた後、砂や雪に埋めて使います。雪や砂に効果的な一方、うっかり砂や雪の中に取り残して紛失することも。万一の紛失に備え、自然素材の竹や木で自作してもいいですね。
写真右はマットやテントのスカート部分をちょっと固定するのに使いたいショートサイズのペグ。断面がU型になっているのでスタッキングでき、泥を拭き取りやすい形です。
ペグはよく似た色・形なので、テント用とシェルター用が混ざってしまうことも。いつも同じ道具を使っているのなら問題ないのですが、複数のテントやタープ、シェルターから選んで持って行く人は、いざ使おうと思ったときにペグが足らず慌ててしまったことはないでしょうか。
そこで、テント用・シェルター用・タープ用など、道具ごとに別の色のテープを巻き付ける、別の色をペイントするなどしてカスタマイズ。蛍光色を選べば、ペグの抜き忘れ防止やつまずき防止にも役立ちます。
このとき、ハンマーでたたく位置から少しずらすと、色が抜けたりテープが剥がれたりしにくくなります。
好きな色のロープを巻き付けてもいいです。写真の場合、別のペグを穴に刺して引き抜くという方法をとれなくなりますが、ペグ抜き機能付きハンマーを持っているなら問題ありません。
地味な存在のペグですが、テントやタープを支えるというとても重要な役割があります。自分の道具、キャンプスタイルにあったペグを探せば、いっそうテント設営がスムーズになりますよ。
※このコンテンツは、2018年3月の情報をもとに作成しております。