鋳鉄製とステンレス製の違いは?
ダッチオーブンの種類と選び方

いつかはチャレンジしたいダッチオーブン料理。でも、伝統的な鋳鉄製だけでなく、鉄板やステンレス、エナメル塗装などいろいろな素材があり、どれを選べば良いのか迷ってしまいます。そこで今回は、ダッチオーブンの種類と選び方を解説。素材による特徴の違いを押さえておきましょう。

更新日:2018.05.23

ダッチオーブンの魅力

そもそもダッチオーブンがなぜ野外料理にぴったりかというと、焚き火の高熱にも耐えられるタフな鍋であり、重厚なフタが旨味をしっかり閉じ込める点にあります。

持ち運びしやすい軽いクッカーセットも野外料理向きではありますが、炭火に長時間かけるとゆがみが出てしまいますし、最悪穴があくことも。その点、ダッチオーブンは焚き火にかけたまま長時間煮込んでも不具合はありません。風によって温度差が出やすい野外でも、鍋底が分厚く、一度温めておけば多少の風でもムラはほとんどなく食材に熱が入ります。

また、重厚なフタは、食材から出る水蒸気の力でも浮き上がることはありませんから、煮込み料理はお手の物。水蒸気がフタと本体の間に溜まって「ウォーターシール」効果を発揮し、旨味をしっかり閉じ込めてくれます。それに、フタの上に炭や薪を載せておくと、オーブン料理だってできます。

重くて収納性には難がありますが、焚き火で料理をするならダッチオーブンは非常に優秀な鍋と言えます。

もともとは鋳鉄製で、オイルをなじませておけば錆びることはありません。焦げ付きにくい加工を施した鍋は後片付けが便利ですが、熱で加工が剥がれやすく、ひとたび加工が剥がれると焦げ付きやすくなるのが悩みの種。ダッチオーブンはその心配がありません。洗剤を使って洗ったり、酸味・塩味の多い料理を入れっぱなしにしたりしておくと錆びてしまうことはありますが、万一錆や焦げがついたら、たわしなどで錆や焦げを落とした後に、再び油をなじませればリセットできます。
現在は鋳鉄だけでなく、鉄板を加工して作ったダッチオーブンも愛されています。

ダッチオーブンの素材

鋳鉄製

型に鉄を流し込んで作る鋳鉄製のダッチオーブン。その作り方から、もっとも分厚く、重厚感がありますが、フタと本体との密着度がやや甘いモノもあります。店頭で選ぶ際は、そのあたりも確認しておきましょう。
油をなじませて保管し、黒くツヤツヤした鍋に育つと、多少洗剤を使っても錆びることがないともいわれています。

鉄板製

鉄製ではありますが、こちらは鉄板製のダッチオーブン。均一な厚みの鉄板を成型しており、フタと本体がピタッと閉まるという特徴があります。
黒皮鉄板は、1200℃で加熱して圧延する過程でできた酸化皮膜で表面が覆われており、鋳鉄製のダッチオーブンのように鉄のむき出しでないため錆びにくい構造になっています。油を塗り重ねないので、オイルの香りが邪魔をせず炊飯にもぴったり。また、洗剤を使って洗えるのも大きな特徴です。

ステンレス製

こちらはステンレス板を加工したダッチオーブン。鉄板製同様、フタと本体はピタッとかみ合います。また、鉄板とは異なり、オイルをなじませて保管せずに済むので、より白米向き。鉄よりも錆びにくいのですが、鉄と比べると熱伝導率が低いので、鉄製よりもプレヒートに時間を掛けるといいでしょう。

ほかに、より軽量なアルミ製や遠赤外線効果を期待できるカーボン、鋳鉄にホーロー加工を施したダッチオーブンがあります。

ダッチオーブンのサイズ選び

ダッチオーブンのサイズは、インチで表示されているものが主流です。
もっともポピュラーなのが12インチ。内径が約30cmです。高さに違いはありますが、12cmほどの高さがあれば鶏のローストだって無理なくすっぽり入ります。

10インチは内径約25cm。鶏のローストをするには小型の丸鶏を用意するなど少々工夫が必要ですが、4〜5人ファミリーの煮込み料理にはちょうどいいサイズです。

8インチは内径約20cmで、4合くらいの米を炊けます。2〜3人の調理や、焼きリンゴなどのデザートなどにぴったり。コンパクトなのでそのままテーブルに置いてもサマになります。

協力:WILD-1デックス東京ビーチ店

※このコンテンツは、2018年5月の情報をもとに作成しております。