水陸の王者を捕まえてみよう!
子どもが喜ぶ昆虫採集
昆虫採集は、夏の外遊びの主役!
緑が豊富で川や湖に恵まれている日本は昆虫王国です。一説では国内に生息する昆虫は、10万種類にものぼるとか……。
ちょっと見回せば、家の周りにも大小さまざまな種類を見ることができます。
今回は、そんな昆虫の代表格、カブトムシとタガメを追いかけてみました。
環境破壊や自然の変化で、昔に比べれば出会う機会が減っていますが、その習性や生態を知って出かければ大丈夫!
ちょっとアドベンチャー気分でお父さんもワクワクの1日となりました。
今回挑戦した親子は
齋上親子
父:史郎(40歳)
長男:優生(11歳)次男:瑛吾(8歳)
サッカー大好き3人組が
昆虫採集に挑戦!
レジャー用品店にお勤めのお父さんは大のサッカー好き。その影響でふたりの息子さんも上手にボールを操ります。
今回は、2種類の大型昆虫を追いかけるとあって、ちょっと勝手が違うみたい。
「普段、子どもたちとサッカーを楽しむことは多いんですけどね。タガメとカブトムシに会えるように3人でがんばります!」とお父さん。
さぁ、どんな出会いが待っているでしょうか。
1日のダイジェスト
新緑の中で昆虫採集スタート!
今回出かけたのは、雑木林や沢、棚田の残る自然豊かなエリア。梅雨明け間近で、野山は緑がいっぱい。生命感に満ちていました。行く先々でいろいろな動植物に出会いヒートアップの3人でした。
カブトムシはスイーツ好き!
特製トラップを作ろう
カブトムシの好物は、クヌギなど広葉樹の樹液。幹から流れ出して発酵すると、林には甘酸っぱい香りが流れます。今回は、それに似せた特製トラップを製作。さて、カブトムシをおびき出してくれるでしょうか。
思いがけないサプライズ!
大きなノコギリクワガタが登場
カブトムシは夜が大好き。でも、昼のうちに好ポイントを捜したり、トラップを仕掛ける場所を決めておくのがGOOD!
3人も林の中に分け入りました。すると、いきなりノコギリクワガタを発見!びっくりです。
カブトムシって結構グルメでした
日が落ちて、いよいよカブトムシのディナータイム。足もとに注意しながら林の中に入っていくと……いました、いました。発酵して白い泡を吹いた樹液の泉を支配する森の王者!お目あての登場に優生くんと瑛吾くんも大喜び!
ついに憧れのタガメに会えた!
山間に残る美しい棚田や水路。たくさんのカエルが大合唱で出迎えました。ってことは、カエルが大好物のタガメの期待も急上昇?水辺の障害物を探っていくと、ミズカマキリやタイコウチなど、仲間たちも登場。そしてついに……。
ワンポイントアドバイス
スズメバチやトゲアリに用心を!
昆虫採集は楽しい遊びですが、自然の野山を散策するので、注意が必要な生きものと出会うこともあります。とはいえ、正しい知識を持って、用心していれば何も心配はいりません。
最もよく知られているのがスズメバチ。大型で肉食性のハチですが、気性が荒く、刺されると激しい痛みを伴うので気をつけましょう。今回の外遊びステージ、『ハローウッズ』のスタッフによれば、スズメバチは、左右の動きには強く反応する傾向があるので、走って逃げたり、身体を振って攻撃を避けるのは避けたほうがいいとか。至近で会ってしまったら、静かに屈むのがおすすめだそうです。
また、樹液近くによく見られるトゲアリも刺されると、とても痛いので要注意。蚊やブヨは、虫よけスプレーなどで防ぎましょう。
スズメバチはカブトムシやクワガタと同じような場所にいることが多いので、注意しましょう。でも、スズメバチのおかげで樹液がたくさん出るようになり、カブトムシも集まってくるんです。
ちゃんと大切な役割を持っているんですね
トゲアリにも注意。
鋭いかぎ状のトゲを持っていて刺されると痛みます。
樹液の周りでちょっと大きめのアリを見つけたら用心しましょう
- 監修者:
- 崎野 隆一郎
(さきの りゅういちろう)
1957年鹿児島県生まれ。
現在、ハローウッズ森のプロデューサーを務める。
1981年、北海道大雪山国立公園の然別湖畔に移住、アイスバーや氷上ミュージアムの設計建設を手がける。
1999年、本田技研工業(株)新プロジェクト、自然活用アドバイザーに就任。
里山の再生や保全のスペシャリストとして活躍中。